2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320099
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
熊谷 公男 Tohoku Gakuin University, 文学部, 教授 (70153343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 秀人 東北学院大学, 文学部, 教授 (30244966)
佐川 正敏 東北学院大学, 文学部, 教授 (40170625)
政岡 伸洋 東北学院大学, 文学部, 教授 (60352085)
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Keywords | 渡来人 / 朝鮮式山城 / 王興寺 / 弥勒寺 / 舎利容器 / 伽藍配置 / 初期須恵器 / 周縁域 |
Research Abstract |
熊谷は8月に大阪府で渡来人関係の遺跡の巡検を行い、古代河内における渡来人文化の広がりについて地域に即したデータの収集に努めた。また3月には大宰府周辺の朝鮮式山城と南九州の隼人関係遺跡の巡検を行った。なかでも大野城跡・基肄城跡などの朝鮮式山城と朝鮮半島の山城との系譜関係の解明が今後の検討となろう。 佐川は、韓国扶余と益山で発掘中の百済寺院遺跡(王興寺跡と定林寺跡、帝釈寺跡)を2度にわたって視察し、百済では「一塔一金堂式」の伽藍配置が一貫して採用されており、さまざまな伽藍配置が展開していく日本と明確な違いがあることを確認した。平成21年3月には慶州市で新羅寺院遺跡を視察し、益山市で舎利容器が発見されて間もない弥勒寺西石塔舎利孔を、王宮里遺跡で百済王宮段階の後苑想定地から発見された曲水遺構を見学し、最新情報を介して韓国考古学者と意見交換を行った。 辻は、古代の倭国の周縁域である東北地方の古墳時代の歴史的動向を検討し、同じ周縁域である九州地方と比較した上で、周縁域の動向を参照しながら日本列島、あるいは韓半島の中央権力の形成過程を考える必要性を指摘した。また、1昨年本学で開催された国際シンポジウム『百済と倭国』の編者としてその編集を行い、昨年10月に高志書院から刊行した。 山本は8月に韓国に行き、釜山大学校博物館・釜山福泉洞博物館で東莱福泉洞古墳群出土の陶質土器を実見し、日本の初期須恵器との類似点と相違点を検討した。また慶州では、外来系遺物の調査を行い、大陸の文化がどのようなルートで日本に伝わったのかを解明する基礎資料の収集を行った。
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Research Products
(9 results)