2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320099
|
Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
熊谷 公男 Tohoku Gakuin University, 文学部, 教授 (70153343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 秀人 東北学院大学, 文学部, 教授 (30244966)
佐川 正敏 東北学院大学, 文学部, 教授 (40170625)
政岡 伸洋 東北学院大学, 文学部, 教授 (60352085)
|
Keywords | 王興寺 / 弥勒寺 / 定林寺 / 帝釈寺 / 伏岩里遺跡 / 王宮里遺跡 / 新羅人道士金可記碑 / 百済大寺 |
Research Abstract |
研究分担者の佐川正敏は、7月に韓国の扶余で王興寺講堂跡と定林寺西回廊・中門跡の発掘現場を見学、益山市弥勒寺展示館で「特別展:弥勒寺西石塔舎利容器」を見学、全羅南道羅州市伏岩里遺跡出土木簡を観察。11月に国立扶余博物館で百済瓦観察、益山市帝釈寺講堂・僧房・東回廊跡、および王宮里遺跡後苑跡の発掘現場を見学して韓国における古代寺院の調査成果の収集、分析に努めた。また連携研究者の山本孝文は、9月に韓国の国立中央博物館、国立扶餘博物館、扶餘の定林寺跡・王興寺跡などを見学し、最新の調査成果と資料の収集を行い、百済の墳墓・寺院跡等の研究を進めた。さらに連携研究者の田中史生・酒寄雅志は12月に中国の長安を訪れ、新羅人道士金可記の碑、2002年に昭陵で出土した新羅真徳女王の蕃君長像等や他のいくつかの新羅人関係の石碑の調査を行い、新羅と唐の交流の実相を最新の出土文物によって検証した。熊谷は、これらの研究成果の報告を受けて総括するとともに、(1)6世紀の倭と加耶・百済・新羅との交流、特に「任那日本府」関係の史料の収集と検討、(2)近年の調査で明らかになった桜井市吉備池廃寺(百済大寺)、韓国扶餘の王興寺等の寺院建立の歴史的意義を明らかにするために、6世紀後半~7世紀前半の東アジア世界における仏教弘通を中心とした国際交流の史料収集、検討を行った。従来、6世紀代の東アジア世界の交流については、もっぱら南朝-百済-倭国というルートによる伝播によって理解しようとしてきたが、近年の調査成果からは北朝的要素も軽視できないことが明らかになってきており、新たに北朝-高句麗-倭国、北朝-百済-倭国という北朝系のルートの重要性も評価されつつある。本研究においても新発見の資料と文献史料の再検討によってそのような見通しが立てられるようになった。
|
Research Products
(6 results)