2007 Fiscal Year Annual Research Report
植民地時期東アジア民衆諸宗教の伝播と交流〜情報メディアの分析
Project/Area Number |
19320112
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
武内 房司 Gakushuin University, 文学部, 教授 (30179618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 頼寿 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80155986)
孫 江 静岡文化芸術大学, 社会学部, 准教授 (40329529)
菊池 秀明 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20257588)
今井 昭夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (20203284)
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Keywords | 吉林省档案館 / フランス陸軍省文書館 / ギメー博物館 / 上海市図書館 / 世界紅卍字会 / 大本教 / 同善社 / カオダイ教 |
Research Abstract |
ヴェトナム関係ではフランス陸車省文書館所蔵植民地期カオダイ教関係史料を収集した。同じくパリのギメー博物館図書館においてハノイで刊行された宗教関係パンフレットの調査し、雲南や広東における宗教運動との関連を明らかにした。また,ヴェトナム南部のベンチェー、北部のホアビンで新宗教の活動状況を調査し、そのトランス・ナショナルな動きを確認することができた。 台湾においては、中央研究院民族学研究所収蔵の善書コレクション、台湾大学図書館蔵総督府作成「宗教調査台帳」などを閲覧するとともに、台湾の民衆宗教運動史研究者らと交流を持った。 香港においては、香港大学図書館において文献調査にあたる一方、先天道系及び同善社・一貫道系宗教団体を訪問し、同団体の刊行するパンフレットや文献を収集した。これらの文献をつうじ,広東を越えた台湾・大陸・東南アジアに広がる宗教団体のネットワークが明らかになるものと期待される。 旧滿洲関係調査としては、吉林省档案館・北京市档案館・中国第二歴史档案館等を訪問し、民間宗教、とりわけ紅卍字会関係資料の収集と分析を行った。民国期の雑誌メディアの調査として、上海市図書館・慶市図書館・四川省図書館・国家図書館等において民国期に宗教諸団体が刊行していた雑誌メディアの収蔵状况調査を行った。その結果,世界紅卍字会が1920年代及び30年代に発行していた『道徳雑誌』・『道徳月刊』などの特色ある宗教雑誌を掘り起こすことができた。 また、日本においては、プロジェクトメンバーで京都・亀岡にある大本教資料所を訪問し、戦前における大本教と世界紅卍字会やカオダイ教との交流状況等について、教団資料に基づき明らかにすることができた。
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