2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320117
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若尾 祐司 Nagoya University, 文学研究科, 教授 (70044857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 勇夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20179419)
大野 誠 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (60233227)
栗田 和典 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (90249300)
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Keywords | 西洋史 / 歴史の場 / 記憶の歴史 / 記憶・顕彰行動 / 国民意識 / 記念碑・墓地 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、2008年度の前期には研究会を隔月で開催し、原則として一回につき2名が報告を行った。前年度の経験を生かし、一回の報告に集中して密度を高めることにより事実上の研究協力者の論文作成が進むよう、研究会の効率的な運営を図った。6月にはウィーン大学のJ.エーマー教授を招聘し、社会史や人口史の研究と「記憶の歴史学」との関係について意見交換を行った。今年度の後期は、各自の論文作成とその取りまとめに集中し、和田光弘氏(名古屋大学)を中心とするアメリカの「歴史の場」研究グループとも協力し、若尾祐司・和田光弘編『歴史の場--史跡・記念碑・記憶--』(ミネルヴァ書房)を刊行する準備を完了させた。同署の目次は国別編成で、アメリカ史4、イギリス史3、フランス史2、東欧・北欧史3、ドイツ史6からなる。内容的には、個人に関する記念碑5、戦争関係記念碑6、墓地・墓碑3、記念碑空間2、その他4と多岐に渡り、欧米の近代における記念・顕彰文化の多様な姿を解明し、提示している。これと並んで、研究成果報告書『ヨーロッパ「歴史の場」に関する研究』を取りまとめた。研究代表者・研究分担者・連携研究者のみならず、研究協力者も2名が執筆し、アメリカとイギリス、フランスとドイツにまたがる大部の報告書となった。以上の作業により、欧米の記憶文化・顕彰文化の特質を、多様な側面から検討することができた。さらに記念碑文化と近代化との関連を問うためには、たとえば「都市計画と遺産保存」や都市公園墓地など、もっと枠組みを狭めた単一テーマの比較研究を積み上げることが望まれる。
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Research Products
(7 results)