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2008 Fiscal Year Annual Research Report

近代化過程における宗教の再活性化の比較史的研究

Research Project

Project/Area Number 19320118
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

竹中 亨  Osaka University, 文学研究科, 教授 (90163427)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川本 真浩  高知大学, 人文学部, 准教授 (20314338)
長井 伸仁  徳島大学, 総合科学部, 准教授 (10322190)
中野 耕太郎  大阪大学, 文学研究科, 准教授 (00264789)
山口 輝臣  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (20314974)
伊藤 順二  京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80381705)
Keywords近代化 / 世俗化 / 宗教再活性化
Research Abstract

当該年度においては、理論的、実証的双方の次元において、研究は順調に前進した。
理論的には、宗教の定義について、歴史研究の場合の特殊性と問題点が明らかになった。過去の史料という限界から、歴史研究では心性次元に踏み込むことが難しく、行為として表面化した事実に依拠せざるを得ないことが、改めて認識され、それをどう方法的に解決するかが、研究チーム内の論議の焦点となった。方策として提起されたのが、宗教をデュルケーム的に広義に捉えることによって、いわば「広さ」で「深さ」を補うという方策について論議した。
実証的には、多くの国について、宗教が集合的アイデンティティと結びつく傾向があることが認識された。とくに注意を要するのは、近代においては、西洋へのアンチテーゼとして自己の民族的・文化的独自性を打ち出す際に、宗教が大きな役割を果たした点である。またその場合、宗教が西洋文明への対置物として、自己を進んで「聖なる野蛮」の地位に置くという傾向も見られたことは興味深い。加えて、「野蛮」像には、周辺世界との関係でまたニュアンスがかなり異なる(たとえば、西欧に直接対抗する位置にあるロシアやドイツの場合と、アジアへの対抗を同時に含む日本の場合との差)ことが論議になった。
宗教の持つ政治的機能については、従来も指摘は多いが、それがグローバルな位置関係のなかでどう変移するかという指摘は、当研究が新たに開拓した視点である。その意味で、当研究のもつ重要性は大きく、その終結と研究結果には、今さらながら大きな期待がかかるのである。

  • Research Products

    (4 results)

All 2009 2008

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 英霊の姿と形2009

    • Author(s)
      長井伸仁
    • Journal Title

      英雄の条件(科研報告書) (印刷中)

  • [Journal Article] 「アメリカ史」叙述のグローバル化2009

    • Author(s)
      中野耕太郎
    • Journal Title

      パブリック・ヒストリー 6

      Pages: 16-29

  • [Presentation] (コメント)信仰における他者2008

    • Author(s)
      山口輝臣
    • Organizer
      史学会公開シンポジウム
    • Place of Presentation
      東京大学
    • Year and Date
      2008-11-08
  • [Book] 境界とアイデンティティ2008

    • Author(s)
      山口輝臣(共著)
    • Total Pages
      360
    • Publisher
      岩田書院

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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