2007 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジア史からみた中世アイヌ文化形成過程の考古学的研究
Project/Area Number |
19320124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊木 俊朗 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (20282543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70169184)
高橋 健 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教 (20451776)
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Keywords | 考古学 / 中世アイヌ文化 / オホーツク文化 / 擦文文化 / 北東アジア史 |
Research Abstract |
1.オホーツク文化に係る考古資料の調査 オホーツク文化,及びそれとの比較対象となる諸文化の考古資料について,主に未報告のものを対象に実測,拓本,写真撮影などの調査,記録を実施し,基礎データを収集した。調査対象とした機関は函館市北方民族資料館,東京大学総合研究博物館,鳥取県立博物館,東京大学大学院人文社会系研究科考古学研究室である。網走市モヨロ貝塚や北千島占守島などのオホーツク文化に関する未報告資料について貴重なデータを得るとともに,山陰の資料との比較など,広域での比較対照を視野に入れた分析を進めることができた。 2.北海道北見市におけるオホーツク文化資料の収集,調査 北見市教育委員会と協力し,北見市トコロチャシ跡遺跡にてトレンチによる発掘調査を実施した。本調査は同遺跡におけるオホーツク文化の墓域の確認を主な目的として実施され,調査では墓そのものは発見されなかったが,墓域の分布についてはある程度の見通しを得ることができた。調査では他に,祭祀遺構である「骨塚」が通例とは異なり竪穴住居跡外から検出されるなど,同遺跡におけるオホーツク文化の集落構造に関する新たな情報を得ることができた。 また,昨年度までに同遺跡にて採取していた土壌サンプルについてフローテーション作業を実施し,分析の前処理を行った。竪穴住居跡内,特に骨塚内の土壌からは植物の炭化種子が数多く検出された。種子の同定等については来年度の分析を予定している。
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Research Products
(3 results)