2010 Fiscal Year Annual Research Report
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19320127
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Research Institution | Sakuyo Music College |
Principal Investigator |
澤田 秀実 くらしき作陽大学, 食文化学部, 准教授 (40264577)
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Keywords | 古墳時代政治 / 古代国家形成過程 / 首長墓系列の再検討 / 空中写真判読 / 湮滅古堵の復元、図化 / 築造企画の型式学的検討 / データベース作成 |
Research Abstract |
平成22年度は湮滅古墳の全国集成の補足をおこないつつ、シービーエス社MapMatrixおよびFeatureMatrixをもちいて空中写真の分析、図化をおこない、約50基の前方後円墳について一定の成果を得た。 湮滅古墳の全国集成の補足は宮城県、茨城県、神奈川県、静岡県、愛知県、兵庫県、香川県、鳥取県、岡山県について主におこない関連文献と該当する空中写真を収集し、入手したものをデータベース化した。なお22年度までに収集した空中写真は約700古墳(古墳群)で約1500枚となった。 シービーエス社のMapMatrixおよびFeatureMatrixをもちいた空中写真の分析は、撮影状況、条件の良いものを選定し、墳丘形態の観察、図化を試みた。今年度はソフトによる自動図化によって約50基の古墳について分析、図化し、古墳の平面形態、規模に関して十分に復元できた。ただし、段築成や墳端など微細な墳丘形態に関しては、実体観察されるものの自動図化では反映されず課題を残した。さらに資料の一部で手動による図化を試みたが熟練技術が必要で量産し得ないことが了解された。とはいえ、新たな資料の抽出に成功し、首長墓系列の再検討に見通しを得、平成21年度までに測量調査した成果とあわせ美作地方の首長墓系列の再検討をおこない、口頭発表した。また今年度の分析、図化成果をもとに各地の前方後円墳の築造状況を見直し、古代国家形成過程における前方後円墳の役割について検討を加え、成果の一部を口頭発表した。 このように22年度はデータベースの補足、空中写真の分析、図化を中心に研究作業を進め、その成果をもとに各地の首長墓系列の再検討、さらに前方後円墳築造の論理を追究し、一定の成果を得た。
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Research Products
(4 results)