2009 Fiscal Year Annual Research Report
司法制度改革の比較法社会学的考察――新制度派歴史社会学の視角から――
Project/Area Number |
19330001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾崎 一郎 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 教授 (00233510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40282587)
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Keywords | 新制度派 / 司法制度改革 / 法文化 / ADR / 弁護士アクセス / ベルギー / 比較法 / 社会変動 |
Research Abstract |
本年度は、最終年度としてこれまで行ってきた新制度派理論による日本およびベルギーの司法制度改革の分析の理論的総括と各論的分析への応用を行った。まず、そのための分担者、研究協力者による検討研究会を計3回行った。最初に2009年5月8日に明治大学において研究の進展状況を確認しあった。さらに同11月1日に、関西学院大学梅田キャンパスにおいて、再度研究状況の調整を行い、これらを承けた上で、来日中だった海外共同研究者であるヴァンオーヴェルベケを交え、同12月28日に立教大学において、3月に行う国際セミナーの準備について協議した。以上をふまえ、研究の総括として、ヴァンオーヴェルベケ、マースヒャルクの協力を得て、2010年3月19日、20日にルーヴェンカトリック大学(ベルギー)にてInternational Seminar on the Dynamics of Law and Society in Europe and Japan "Legal Reform and the Role of Judiciary : Revisiting Japanese Exceptionalism from an European Perspective"を開催した。同セミナーでは、高橋がADR制度改革を中心に、"Japanese Attitudes towards Dispute Resolution"と題する報告を行い、尾崎が制度改革と文化変容の関係について、"Law and Culture in Transition"と題する報告を行い、連携研究者の濱野が弁護士アクセスを中心に、"Access to Attorneys in Japan and the Judicial Reform"と題する報告を行った。いずれの報告も、本研究プロジェクトが立脚してきた明治期以来の司法制度改革の展開を新制度派の制度理論の見地から把握した上で、その変容の規定条件を多面的かつ比較法的に検討するものとなった。すなわち、ヴァンオーヴェルベケが昨年提示した、「punctuated equilibriumとしての司法制度改革過程」が示す、慣性と新規性のハイブリディティの実相が具体的に示され、かつ慣性を文化の問題として捉えることの可能性と限界が明らかにされた。
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[Presentation] Law and Culture in Transition2010
Author(s)
OZAKI, Ichiro
Organizer
4th International Seminar on the Dynamics of Law and Society in Europe and Japan
Place of Presentation
Katholieke Univ.Leuven(Leuven, Brussels)
Year and Date
2010-03-19
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