2009 Fiscal Year Annual Research Report
コーポレート・ガバナンス及び雇用システムの変化と労働法の立法論的課題の研究
Project/Area Number |
19330013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 尚志 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60175966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 晃一 信州大学, 経済学部, 准教授 (30436498)
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 労働法 / CSR / SRI |
Research Abstract |
本年度においては、ドイツのコーポレート・ガバナンス(以下「CG」と略記する)と労働関係(特に事業譲渡の際の労働関係の規制)に関する調査研究を進めるとともに、研究成果に密接に関連するテーマについて、3つの国際学会(シドニー大学「グローバル経済と労働法」、国際労働法社会保障法学会世界会議、韓国労働法学会比較法セミナー)で報告を行い、研究内容を世界の労働法研究者に提示し、有益なディスカッションを行うことができた。 このような研究成果をふまえて、本年度は、3年にわたる研究のとりまとめの作業を行った。具体的には、序論で本研究の問題意識を提示し、第一部(CGと労働関係:総論的考察)では、雇用システムの変化とCGの関係に関する総論的検討を行った。第二部(労働法と倒産法の交錯領域における問題状況の整理・分析)では、CGがもっとも問題となる倒産時に労働法とCGがどのような関係に立つのかについて、池田悠東京大学助教に検討をお願いした。第三部(雇用保障・労働条件規制とCG)では、解雇法制および労働条件変更に関する規制とCGの関係を、第四部(企業組織再編と労働関係・CG)では、ドイツの企業組織再編の現状について検討するとともに、日本における合併・事業譲渡・会社分割・会社解散における問題状況を分析した。第五部(労働者の経営参加とCG)では、団体交渉による参加と従業員代表制による参加について検討した。そして、最後に第六部(CGと労働法規制に関する総合的考察)では、日本のコーポレート・ガバナンスが慣行に依存した点に特色があるという仮説を確認するとともに、CSRやSRIとCGを分析して見えてくるCGと法規制のあり方、労働法規制の手法としてのハードロートソフトローの関係、さらには実体規制と手続規制の関係等、CGと労働法の規制手法のあり方に関する検討など、研究全体を総括する総合的検討を行った。
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Research Products
(9 results)