2007 Fiscal Year Annual Research Report
裁判員裁判におけるコミュニケーション・デザインの学際的研究
Project/Area Number |
19330017
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三島 聡 Osaka City University, 大学院・法学研究科, 教授 (60281268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西條 美紀 東京工業大学, 留学生センター, 教授 (90334549)
森本 郁代 関西学院大学, 法学部, 准教授 (40434881)
大塚 裕子 (財)計量計画研究所, 言語情報研究室, 研究員 (10419038)
高木 光太郎 東京学芸大学, 国際教育センター, 准教授 (30272488)
守屋 克彦 東北学院大学, 法務研究科, 教授 (90328261)
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Keywords | 刑事法学 / 刑事裁判 / 裁判員制度 / 国民の司法参加 / 評議 |
Research Abstract |
2007年度は、当初の計画に沿ってつぎのような研究をおこなった。 1既存の模擬裁判における評議の分析 法曹三者共同による模擬裁判の評議データを入手し分析した。この模擬評議には、つぎのような問題点が認められた。すなわち、それぞれの主張や判断根拠が曖昧なかたちで提示され、それらに関する検討も十分になされないまま議論が進行して一定の合意が形成されてしまい、議論が上滑りになってしまっているのである(「素朴交渉」)。具体的に評議のどこに問題があり、どう改めればよいのかを精力的に検討し、その成果を2007年10月の法と心理学会大会のシンポジウムで報告した(報告内容は学会誌に掲載される予定)。なお、この学会報告は事実認定のみを扱ったが、その後量刑の評議についても検討を進めた。 2評議の暫定ルールの検証のための模擬評議の準備 これまで、既存の模擬評議の分析を通じて、望ましい評議実現のためのルール作りに努めてきた。やや抽象的で大枠的なルールは季刊刑事弁護52号に掲載するとともに、その具体化、実用化をはかるべくその後検討を重ねてきた。2008年度は、これまで検討してきたルールの有用性を、実験を通じて検証する予定であるが、2007年度後半はそのための準備作業もおこなった。1日で実験が終了するような模擬裁判DVDの選定、統制グループの裁判官役の依頼、収録機材の購入、さらには、予備実験の実施などである。予備実験では、選定した模擬裁判DVDなどを見て、私たちのルールに従えば評議が円滑・適正に進むかどうかを試し、ルールの改良を進めた。 3外国の参審制に関する調査 年度末にイタリアを訪ね、参審裁判の評議に関する論文を書いている社会心理学者や、刑事訴訟法の専門家の助力を得て、裁判官、参審員、検察官、弁護士などから聴き取り調査をおこなった。その視察の概要については雑誌に掲載したいと考えている。
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Research Products
(4 results)