2008 Fiscal Year Annual Research Report
児童虐待の予防と対応--法的検討と医学的・心理学的・社会学的考察
Project/Area Number |
19330018
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
町野 朔 Sophia University, 法学研究科, 教授 (60053691)
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Keywords | 児童虐待 / 児童相談所 / 親権 / ファミリーバイオレンス / 家庭裁判所 / 司法面接 / 加害者支援プログラム / 面接交渉 |
Research Abstract |
全4回の研究会、1回の海外調査を行い、次のような研究の段階に至った。 児童虐待への対応は、「虐待の防止、虐待の発見、虐待への早期介入と虐待児の保護、虐待児のケアと自立の支援、虐待保護者の回復支援、家庭再統合」という一連の過程がスムーズに行われなければならない。今年度は、(1)児童福祉法と児童虐待防止法という日本のシステムの基本は維持するとしても、システムの中核である児童相談所の態勢の強化、警察との緊密な連携の必要性、家庭裁判所による司法関与のあり方について、議論がまとまってきた。さらに、(2)親の回復支援プログラムの実行に家庭裁判所のより積極的な関与が必要ではないかとされた。さらに、(3)Monash大学のオーガナイズによりオーストラリア、ビクトリア州の児童虐待防止システムを調査し、フォスター・ケアの推進と平行して刑事司法のより積極的関与を目指す動きを見た。 以上に平成19年度の研究結果と合わせて、研究の最終年度に作成される報告書の具体的内容を次のようにすることとした。 第1章児童福祉法・児童虐待防止法の理念と展開/第2章児童虐待と親権制度/第3章家庭裁判所と児童虐待/第4章刑事司法の関与のあり方/第5章児童保護、親の回復支援プログラム/第6章被虐待児の治療とケア
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