Research Abstract |
複数の弁護士を研究会に招聘しての研究会を重ね,「法曹の質」としてありうる構成要素をブレイン,ストーミングとディスカッションによって網羅的に析出し,「法曹の質」についての仮説体系構築の叩き台とした。 次いで,われわれの仮説集合の妥当性を確保するため,練達の弁護士への質問票調査を実施して,われわれの仮説たる「法曹の質」構成要素についての意見を集約した。その結果「法曹の質」の構成要素として,人格識見に関する要素,法実務に関する要素,法創造,立法に関ずる要素,独立自営のブロフェッション(経営)に関する要素,および公益活動への意欲と能力に関する要素,が区別された。 これら法曹の質の諸構成要素の測定,評価の方法については,社会学,社会心理学.法社会学等の調査法を参考としつつ検討を実施し,自己評価法,ピア,リヴュー法CS法(依頼者評価法),テスト法,仕事の結果評価法などを検討し,法曹の質,弁護士の質の測定に応用ずる方法を考案した。 以上の成果を踏まえで弁護士の質を測定する具体的な質問票の構築を行った。そこでは,上記の「法曹の質」の構成要素に加え,社会心理学におけるパースナリティ尺度を応用して,弁護士の人柄なども測定できるように設計した。2007年9月現在の登録弁護士に対する悉皆調査を10月から12月にかけて実施した。 また,弁護士への法律相談者に対する,法律相談弁護士についての評価の調査も実施した。弁護士への法律相談に来た者に質問票を配布して,弁護士の相談態度,分かりやかったか,法的知識に不安を感じなかったか,など,法曹の質についてのカスタマ,サティスファクションの観点がらの測定を実施した。
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