2007 Fiscal Year Annual Research Report
移動と情報ネットワークの政治学-「帝国」と越境するマルチチュード
Project/Area Number |
19330031
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
加藤 哲郎 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授 (30115547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 ひかる 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00272774)
丹野 清人 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (90347253)
堀江 孝司 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (70347392)
小野 一 工学院大学, 工学部, 准教授 (80306894)
岡本 和彦 東京成徳大学, 人文学部, 准教授 (30365001)
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Keywords | 移動 / 情報 / ネットワーク / 帝国 / マルチチュード / 移民 / 亡命 / 外国人労働者 |
Research Abstract |
平成19年度は、研究課題である「移動と情報ネットワークの政治学」について、研究組織における問題意識の共有と予備調査、国内外の研究協力者ネットワークの構築を進めてきた。 平成19年6月16日、10月13日、12月16日、平成20年3月30日と4回の全体研究会を持ち、「移動と情報」をめぐる基礎的概念についての報告・討論を重ねた。また、イギリス・ロンドン大学鵜飼健史氏、インド・デリー大学ブリッジ・タンカ氏を招き、専門的知識の提供を受けた。後者は公開の国際セミナーとして、多数の国内外研究者・市民の出席を得た。このほか国内学会開催時などを利用して、定期的に幹事会を開催した。 海外予備調査は、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、アメリカ、ロシア、ポーランド、中国について行われ、現地調査・資料収集のほか、あわせて現地に研究協力者を得て、ネットワーク化することができた。 研究の具体的成果は、これまでの蓄積成果を含め、研究代表者の単著2冊をはじめ、論文12編、図書7冊等のかたちで公刊されたが、特に移民・難民・外国人労働者の「移動」ばかりでなく、「亡命知識人」の問題を組み込むことによって、「情報」との接点を見出す試みが、研究代表者より提示された。 また研究代表者の単著『情報戦の時代』で「情報」の政治学的概念の包括的整理が行われたほか、「移動と情報ネットワーク」をハーシュマン経済学の「発言と退出」の観点から類型化する方法論的問題が議論され、平成20年度以降の本格的調査・研究とりまとめへの方向性が見出された。
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