2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330037
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
黒柳 米司 Daito Bunka University, 法学部, 教授 (00186553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 亮 同志社大学, 法学部, 教授 (10212490)
稲田 十一 專修大学, 経済学部, 教授 (50223219)
小笠原 高雪 山梨学院大学, 法学部, 教授 (50247467)
金子 芳樹 獨協大学, 外国語学部, 教授 (40233895)
菊池 努 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (50241146)
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Keywords | ASEAN / ASEAN共同体 / ASEAN地域フォーラム / ASEAN憲章 / 東アジア共同体 |
Research Abstract |
本研究は、地域協力機構としてのASEANが、これをとりまく地域国際環境の変容と、域内諸国の対ASEANコミットメントの実態との両側面で果たして適切に対応しうるか否かを、研究分担者のさまざまな研究視点-ASEAN域内問題、経済問題、中国問題、および理論問題等-から検証することを目的とした。チームを構成する研究者は、研究領域を異にするが、Globalizationの一連の挑戦、ポスト冷戦期の戦略的なパワー・バランスの変動、および1997危機のインパクトという錯綜した地域国際環境の変容の下で、ASEANがその「深化と拡大」という二重課題にいかに取り組んだかを顕彰するという課題を共有した。各研究者が順次月例研究会で中間報告を重ねた結果、明らかになった認識は、1、東アジア地域は依然としてポスト冷戦期の秩序変容とパワーバランスの変容の下にあるが、ASEANの対米・対中関係とも、警戒と依存という二面性をもっている。2、この不透明で不安定な地域国際環境にあって、ASEANは共同体への志向という「深化」の領域と、広域対話における"運転席の確保"という「拡大」の二重課題を懸命に模索しつつあるが、機構としての総合的力量の後退は否みがたい、そして3、「東アジア共同体」構想は、ASEANの逆説に満ちた対米・対中関係を集約したものとなっている、というものであった。これらの知見の主要部分は、拓殖大学海外事情研究所刊行の月刊専門誌『海外事情』2010年4月号「特集東アジアの地域統合と共同体構想」として収録されたが」、研究チームとしては、これをべースとして体系化を図り、アジア国際関係のテキストとして刊行することを目指して、現在も私的な研究会を継続中である。
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