2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福重 元嗣 Osaka University, 大学院・経済学研究科, 教授 (10208936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 路子 近畿大学, 経済学部, 特任講師 (10379464)
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Keywords | 格差社会 / 所得分配 / 不平等尺度 / 資産評価 / 住宅評価 / 居住環境 |
Research Abstract |
研究の目的において書いたように、家族構成やライフ・ステージの違いは、同じ金額の帰属家賃が発生している住居に住んでいても、更には同じ住環境にいても、実際に得ているサービスの価値が異なってくると考えるのは自然なことである。本年度は、まず帰属家賃の計測及びその元となる住居(土地と建物)をいかに評価するかという、理論的実証的な研究を行った。この成果は、大学院生との共同研究として国際学会において論文を報告した。 また居住環境において見逃してはならない要素が、政府によって提供されている公的な資本と財政支出である。公的な資本に関しては主として生産活動を通じて、財政支出に関しては直接的に地域の所得の増加という形で居住環境の改善に対して影響を与えていると考えられる。この点に関して実証研究を行い、公的資本が各都道府県の生産に与える効果、政府支出については効果がより鮮明に表れると考えられる離島を対象とした実証分析を行い、居住環境に効果を持っていることを明らかにした。この研究成果については、現在印刷中である。 さらに来年度以降の研究の準備として、分析方法の所でも書いたように、アンケート調査を行うことによって、家族構成やライフ・ステージの違いによって家計の消費水準が同一であっても、消費や居住環境から得られる効用水準が異なる場合、消費水準を家族構成や住環境でそのように補正し、ライフ・サイクルに置ける効用水準をより正確に計測することを目指しており、今年度において、アンケート調査のための調査票について検討し、来年度早々にはアンケートを実施する予定である。具体的なアンケート調査の内容としては、仮想的な家族状況や住環境を家計に提示して、消費水準をどの程度まで変化させることが出来るめか所得の将来的な予測についてどのように考えるのか、といった内容を検討した。
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Research Products
(1 results)