2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンパクトシティ対田園都市:少子高齢化時代における都市・地域の経済分析
Project/Area Number |
19330048
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒田 達朗 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00183319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬古 美喜 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60120490)
中村 良平 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (20172463)
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Keywords | 経済集積 / 都市成長 / 経済構造 / 課税競争 / 人口移動 / 都市の空間構造 |
Research Abstract |
グローバリゼーションの進展により、各地域はこれまでのような国内の競争だけでなく、国際的な競争に直接晒されるとともに、世界経済の影響も強く受けることなった。特に、新経済地理で協調されるような独占的競争が主要な産業分野に一般なものとなったこともあり、従来にも増して集積の経済効果が有意に現れるようになってきている。この結果、交通技術の革新による輸送費用の低減と石油等の枯渇によるエネルギー価格上昇の相反する効果の強弱如何によって、今後世界的に集中・過疎の2極化がさらに進むか、あるいは分散化するのかは、世界的な経済構造から見ても非常に重要な問題と考えられる。黒田は、世界的に進行する急激な都市化を念頭に置いた上で、近年主張されることの多いコンパクトシティについて、伝統的なアロンゾ型の都市空間構造のモデルや、クルーグマン型およびヘルプマン型の新経済地理モデルなどに基づき具体的な政策のあり方とその実現可能性について考察を加えた。また、環境・エネルギーの制約から同様に重要と思われる公共輸送機関の競争力強化を念頭に、土地市場を介して自家用車の利用を抑制する料金設定の理論的分析を行い学会で報告した。また黒田・瀬古は全国および名古屋地区のBITデータを利用して、競売市場の分析を進め、マンションの評価額に都心からの距離バイアスが存在する可能性を示した。また、瀬古は地震などの自然災害が地価に与える影響を、ヘドニックモデルを用いて実証的に検討した結果、一般的にリスクは家計によって過小評価されていることを示した。 また、中村は都市の経済的な持続可能性に関して、地域経済循環の考え方を元に、自立の必要性を述べ、その分析手順を具体的に示した。
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Research Products
(14 results)