2007 Fiscal Year Annual Research Report
日中韓三国間の技術スピルオーバーと企業・産業の生産性に関する理論・実証研究
Project/Area Number |
19330052
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
春名 章二 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (30136775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 星源 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (10304081)
神事 直人 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (60345452)
馬 駿 富山大学, 極東地域研究センター, 准教授 (00303206)
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Keywords | R&D / 技術移転 / 研究開発競争 / 労働生産性 / 知的財産権 / 製品開発 |
Research Abstract |
研究実績は以下の通りである. 1.日中韓3ヵ国の産業ごとの労働生産性の分析及び相互の比較を行った(研究発表参照).これによって3ヵ国の産業ごと競争力の源泉の1つである労働生産性の水準と時系列変化及び細分化された産業間と産業の設立主体の違い(中国)が労働生産性の水準に大きな影響を与えることが明らかにされた. 2.国際的技術移転とこれに関連する戦略等について以下のことを行った. (1)三国間の産業における国際的技術移転と企業戦略に関する先行研究を収集すると共に,それらの読み込み作業を行った.(2)理論モデルを構築して,中国のような知的財産権の保護が十分でない国におけるその保護の程度が企業間の技術移転やその立地選択に与える影響について予備的な分析を行った.その結果に基づいて論文を執筆中である.(3)二国間の研究開発競争と政策的支援に関して分析した先行研究のモデルを3国ケースに拡張して,三国間の競争に関して予備的な理論分析を行った. 3.中国進出の外資系企業(8社)及び中国国有・民営企業(各3社)に対して研究開発活動に関するインタビュー調査を行い,その内容を整理している.次の4つの暫定的な結論が得られた.(1)各社は生産コスト重視戦略から研究開発重視戦略に方向転換しつつある.(2)外資系企業は新製品開発を本国で、製品の品質保証とコストパフォーマンスの改善を中国で行う分業体制から最近中国での新製品開発を重要課題として取り組み出した.(3)中国国有企業は技術者を適切に組織し、効率のよいR&D体制を作るためのマネジメント経験が不足し,R&D活動を組織化していくことが重要課題となっている.(4)中国民営企業は知的財産権が厳しく求められてきたため、企業独自の製品開発が最も重要な戦略であることを十分に認識し、R&Dに必要な人材を獲得しようとしている。
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Research Products
(1 results)