2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330056
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鵜飼 康東 関西大学, 総合情報学部, 教授 (70098101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 真治 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (80254449)
竹村 敏彦 関西大学, 付置研究所, 助教 (00411504)
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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Keywords | 情報のユビキタス化 / 組織構造 / 実証分析 / 情報通信技術 / ミクロデータ / 情報セキュリティ |
Research Abstract |
本研究は、情報通信技術の高度化が組織構造のフラット化をもたらすか否かの疑問に対する論争に決着をつけ、両者と組織効率の相互依存関係を明らかにすることを目的としている。平成22年度は、平成19年度に実施したWebアンケート調査、平成20年度に実施した面接調査、および平成21年度に実施したWebアンケート調査の統計分析を実施した。 研究代表者の鵜飼康東は、平成21年Webアンケート調査の結果を用いて、被雇用者の効用関数を推計し、有意な結果を得た。推計にあたって研究分担者の竹村和久の心理学的助言を受けた。この結果、職場における「PC利用の有無」と「モバイルPC利用の有無」が効用関数を上方にシフトさせることが判明した。平成21年度の研究成果と組み合わせれば、情報通信技術利用度と成果主義賃金体系普及度が効用関数を上方にシフトさせること、このシフトが全世代と全産業に及んでいることが推察される。さらに、研究分担者の渡邊真治は銀行業公表データを用いて包絡線分析を行い、合併銀行のシステム統合が進行しない場合には、資本規模効率性が低下することを発見し、査読誌『経済政策ジャーナル』に掲載された。これを受けて、研究分担者の竹村敏彦は、組織の情報セキュリティ対策に対する労働者の意識と行動に関する分析を行い、個人の意識が高ければ情報セキュリティの観点から問題ある行動をとらないことを順位和検定から明らかにした。この成果は査読誌Journal of Management Policy and Practiceに採択された(2011年5月刊行予定).上記の分析と並行して、研究分担者の竹村和久は、社会的判断課題には曖昧な条件で質問したほうが統計学的に正確な有意差が得られる場合があることを発見して、成果が査読誌『知能と情報』に採択された。
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Research Products
(8 results)