2007 Fiscal Year Annual Research Report
ライフコース・社会的ネットワークの実証分析-歴史的視点から-
Project/Area Number |
19330109
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
黒須 里美 Reitaku University, 外国語学部, 教授 (20225296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津谷 典子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (50217379)
岡田 あおい 帝京大学, 文学部, 教授 (50246005)
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Keywords | 歴史人口学 / ライフコース / イベントヒストリー分析 / 世帯 / 社会的ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は、近世から近代移行期の200年に着目し、徳川期の人口史料を利用することから、庶民の結婚、出生、死亡、移動を中心としたライフコースと、社会的・地理的移動を中心とした社会的ネットワークについて、そのパターンと要因を解明することを目的としている。初年度である本年は、これまで蓄積してきたデータベース構築と分析の体験・知識を整理し、他地域に応用していく準備を進めた。麗澤大学人口・家族史研究プロジェクト室を拠点とし、具体的には以下の3点の成果があがった。 (1)データ整理とデータベース構築作業:特に福島県の資料を中心に、目的にかなった分析が可能な資料の検索と活用方法についての検討を行った。さらに先行プロジェクトにおいて入力整理されたデータにおいて未入力だった部分の補充をおこなったが、これらの統合が課題として残った。また当初予定していた長崎周辺資料の整理については時間切れになってしまったため、来年度に持ち越すこととした。 (2)ライフコース分析:二本松藩二農村におけるイベントヒストリー分析を利用した研究成果をベースに、他コミュニティーでの比較分析を試みた。特に、死亡分析については、三つの農村の比較を、結婚・離婚・再婚分析については、農村と都市、山村と農村、養蚕村と農村、という比較を行った。死亡や結婚についての年齢パターンに差はあるが、どのコミュニティーにも共通する要因構造が明らかになってきた。成果を日本人口学会、2007年度米国社会科学史学会(SSHA)、2008年度欧州社会科学史学会(ESSHC)にて報告し、その一部を英文論文として刊行した。 (3)ネットワーク分析:試験的な分析として、明治初期多摩地域の単年データを利用し、社会学的ネットワーク分析の結婚ネットワークへの応用について検討をはじめた。センサス型データであるため、その仮定の設定とデータの準備に時間を要し、現在も分析進行中である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article]2007
Author(s)
Satomi Kurosu
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Journal Title
Continuity and Change 22(3)
Pages: 429-458
Peer Reviewed
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