2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化におけるニュースメディア・テクスト研究の刷新
Project/Area Number |
19330118
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
伊藤 守 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (30232474)
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Keywords | ニュース / マルチモダリティ / 選挙報道 / 情動の政治 / テレビとインターネットの共振 |
Research Abstract |
2009年度においては、研究当初から予定いていた衆議院総選挙にかかわる選挙報道に焦点を合わせて、第1に投票日前の2週間のNHKおよび民放4局のニュース番組・社会情報番組を収録して、それぞれの番組の報道様式をマルチモダリティ分析の視点から分析を行った。第2に、投票日前の10日間にわたり20-60代の男女50名からメディア接触行動に関する「視聴日誌」を提出してもらい、テレビ視聴行動およびメディア接触の実態に関する調査を進めた。第3に、投票直後の9月4日から1週間、インターネットを活用した質問し調査を実施した。対象は、全国の20-69歳の男女1500人である。質問内容は、政治・選挙ニュースに関するメディアアクセスの実態、政治意識、投票行動に関するものである。 以上の調査分析から次のような知見が得られた。まず、ニュースの受容に関しては、テレビがもっとも重要な位置を占めていることに変わりはないが、新聞に匹敵するほどインターネットの利用とその有効性を指摘する割合が高まっていることである。すでにインターネットを無視して政治情報・選挙情報を議論することはできない段階に来ている。次に、テレビニュースの様式に関して言えば、今回の選挙報道は「静かな」「冷静な」報道であったとの評価が出されいるが、それは時間量や「マニフェスト重視」の報道という点からみた場合のもので、実際の選挙区報道や党首演説などの編成から見れば、「郵政選挙」と言われた前回の総選挙とほぼ同様の、二項対立的な枠組み、政治的争点を人格フレームに代替する枠組みが踏襲されており、政策に関する理性的討議よりは感情を誘発するような「情動の政治」が生起しやすいニュース編成がおこなわれていたことが知見として得られた。
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Research Products
(3 results)