2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330125
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩田 美香 Hokkaido University, 大学院・教育学研究院, 准教授 (30305924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 里佐 北西学園大学, 短期大学部, 准教授 (80341684)
垣内 国光 明星大学, 人文学部, 教授 (80233659)
鳥山 まどか 法政大学, 現代福祉学部, 助手 (40459962)
小西 祐馬 北翔大学, 人間福祉学部, 講師 (90433458)
青木 紀 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 教授 (80125484)
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Keywords | 母子生活支援施設 / 母子世帯 / 貧困 / ソーシャルワーク |
Research Abstract |
1.全国にある母子生活支援施設の現状把握と歴史的経過を知るため、現地訪問によるヒアリングと資料収集を行った。北海道5ケ所、宮城県1ケ所、秋田県1ケ所、東京都1ケ所、大阪府1ケ所、鳥取県1ケ所の合計10ケ所を訪問した。施設は、その建物の古さや建て替えの時期によって、利用者へのプライバシーの配慮などでのハード面による違いは存在し、それに伴う利用者間や利用者と援助者の問題も生じていた。またハード面とは別に、施設ごとに具体的な援助における配慮や「自立」へのアプローチは異なっており、それは施設側の認識の違いとともに、利用者の特性の違いも規定要因として考えられた。すなわち同じ母子生活支援施設であっても、「自立」への援助に時間がかかる障害者の割合が高い施設がある一方で、比較的「自立」に導きやすい障害者の割合が少ない施設、またDV被害者だけで9割以上を閉める施設などの違いが見られた。 2.アメリカニューヨークのNew Alternatives for Children(NAC)でソーシャル・ワーカー(SW)をしている相澤桂子氏を招聘し、訪問による援助を中心としたソーシャルワーク実践と、母子生活支援施設での援助の意見交換を行った。NACでは、援助者が日本よりもソーシャルワークに専念できているのは、ここのエージェンシーがディレクターの尽力により比較的潤沢な運営資金を獲得できており、SWたちの背後に心理・医療・教育関係やケアのためのスタッフが控えて、SWの活動を常に支えてくれているという組織の違いも存在していた。相澤氏からは、施設運営の資金的問題と援助の質について、日本の施設運営では、DVによる援助を通して予算化されるものもあり、施設がDV被害者支援に特化していくのではないかという点が指摘され、さらに、生活をともにして身近な立場で援助している日本の場合では、転移や逆転移の問題が生じないのかなどについて質問が出され、意見交換を行った。
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Research Products
(1 results)