2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330125
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
岩田 美香 Hosei University, 現代福祉学部, 教授 (30305924)
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Keywords | 母子生活支援施設 / 母子世帯 / 貧困 / ソーシャルワーク |
Research Abstract |
1.昨年度までの分析から、母子生活支援施設利用者の中でも、障害を抱えている母親と子どもへの支援の困難さと必要性が明らかとなり、そのヒアリング調査を中心に実施した。そこでは、施設からの援助と利用者との援助の満足度がかみ合っていない状況が伺えた。2.アメリカニューヨークで、貧困と障害児の家族への援助を中心に行っているNAC(New Alternatives for Children)を訪問し、そこで提供されている様々なプログラムとサービス内容について、またそれらを家庭訪問と言う形で展開しているソーシャルワークの現状について検討した。多くの専門職がチームで援助を展開しているというスタッフの層の厚さの違いはあるが、フォローアップのプログラムが充実していること、スーパーバイズ体制が徹底していることが第一線のワーカーを支えていること、また援助形態の違いについては、家庭訪問よりも居住型での援助の方が即時的な援助が提供できるが、その場合のソーシャルワーカーの負荷の問題があげられた。同じくニューヨークにある、家族向けのホームレスシェルター(Regent Family Residence)も訪問し、居住型施設における「自立」へ向けてのプログラムを検討した。ここでは、親への就労支援なども用意されているが、入所期限が4ヶ月以内という制約があるにも関わらず、その短い期間にあっても子どもたちへの支援が充実していることが特徴的であった。これらの視察の結果を北海道母子生活支援施設・施設長会議で意見交換し、日本の実践現場において、どのような形で実現が可能であるのかを討議した。3.上記の日本における施設利用者特性からみて援助が困難になってきている現状と、アメリカにおける援助プログラムの充実を鑑みて、当初計画されていた地域の母子世帯調査よりも、施設内でのプログラムとソーシャルワークの充実と向上のための検討が急務であることと考察した。
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Research Products
(4 results)