2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会福祉実践における意思決定過程に関する実証的研究-葛藤経験の現象学的分析
Project/Area Number |
19330137
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Research Institution | Senri Kinran University |
Principal Investigator |
鳥海 直美 Senri Kinran University, 人間社会学部, 講師 (00388688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 勝 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 特任助教授 (10420423)
松井 妙子 香川大学, 医学部, 教授 (50290359)
赤松 昭 種智院大学, 仏教学部・社会福祉学科, 専任講師 (70411832)
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Keywords | ソーシャルワーク / ケアワーク / 倫理的ジレンマ / 役割葛藤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者・障害者(児)の生活支援に携わる実践者、とりわけ、組織内外のさまざまな関係調整を担うコーディネーターの認識や思考に焦点をあて、さまざまな葛藤に直面する際の意思決定過程を倫理的観点から分析し、祉会福祉実践にみられる「実践知」の特徴について実証的に明らかにすることである。 平成19年度は、フィールドワークや事例研究によって質的データを採集することに併せて、分析視角について検討を重ねた。研究実績は次のとおりである。 1.障害児の地域自立生活支援にかかわるフィールドワークの実施 アクションリサーチの手法を用いて、障害児の地域自立生活支援にかかわる実践に取り組み、本人の主体性や意思を理解する際に経験されるさまざまな葛藤にかかわる質的データを得た。併せて、本人・家族・教員・ピアカウンセラー・ホームヘルパー・友人らとのネットワークづくりの段階で経験される葛藤を抽出した。 2.高齢者の在宅ターミナルに関する事例研究の実施 高齢者の在宅ターミナルに関する事例研究に取り組み、ターミナルに特有の倫理的ジレンマの様相や、チームアプローチの際に他職種との間に経験される葛藤について質的データを得た。さらには、そのような倫理的ジレンマや役割葛藤と折り合いをつけるための意思決定過程に関する質的データを得た。 3.分析視角の検討 臨床哲学を基盤とする研究会活動に継続的に参加し、社会福祉実践現場にみられる相互関係性を視野に入れながら、実践者の経験や認識を分析する方法について検討を重ねた。また、在宅ケア学会などに参加し、在宅ターミナルケアのニーズやプロセスを分析する視点について知見を得た。
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Research Products
(3 results)