2008 Fiscal Year Annual Research Report
社会福祉実践における意思決定過程に関する実証的研究-葛藤経験の現象学的分析-
Project/Area Number |
19330137
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Research Institution | Senri Kinran University |
Principal Investigator |
鳥海 直美 Senri Kinran University, 現代社会学部, 准教授 (00388688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 妙子 香川大学, 医学部, 教授 (50290359)
権 〓珠 岡崎女子短期大学, 人間福祉学科, 教授 (80369579)
蘇 珍伊 中部大学, 現代教育学部, 講師 (80454370)
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Keywords | 社会福祉関係 / ソーシャルワーク / ケアワーク / 倫理学 / 倫理的ジレンマ / 役割葛藤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者・障害者、および、その生活支援に携わる実践者の認識や思考に焦点をあて、さまざまな価値葛藤に直面する際の意思決定過程を分析し、社会福祉実践にみられる実践知の特徴について実証的に明らかにすることである。 平成20年度は、フィールドワークやインタビュー調査によって次のような質的データを採集し、解釈の内容について研究会で検討を重ねた。さらに、葛藤経験を記述するための質的研究の方法について研究会で検討を行なった。 【高齢者分野】 1.韓国の介護保険サービスを利用する高齢者の経験する葛藤 2.終末期にある在宅高齢者へのチームケアにおける職種間の葛藤 3.認知症高齢者介護における介護職員の葛藤 【障害者児分野】 4.進行性難病者が進行期に経験する葛藤 5.障害者運動の担い手が制度化のプロセスにおいて経験する葛藤 6.障害児の主体性が社会関係のなかで象られることを支援する葛藤 当事者の経験および実践者の経験を、制度や理念と照らし合わせながら記述する先行研究は十分ではなく、理念・制度・実践との狭間で葛藤しながら、それらと折り合いをつけている当事者または熟練者の経験の内実が描き出された。また、学識経験者より現象学にかかわる学識の提供を受け、価値葛藤に焦点をあてた経験を記述する方法について、示唆を得ることができた。 [研究協力者]橋本卓也,樽井康彦,太田啓子:大阪市立大学大学院後期博士課程 森口弘美:同志社大学大学院後期博士課程
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Research Products
(5 results)