2007 Fiscal Year Annual Research Report
エスニック・マイノリティによる多文化ソーシャルワーク実践の日豪比較研究
Project/Area Number |
19330138
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
横田 恵子 Kobe College, 文学部, 准教授 (50316022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 丈 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (30330393)
孫 良 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (90299355)
森 恭子 文教大学, 人間科学部, 准教授 (10331547)
舟木 紳介 福井県立大学, 看護福祉学部, 助教 (50315842)
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Keywords | 社会福祉関係 / 多文化実践 / エスニック・マイノリティ / オーストラリア研究 |
Research Abstract |
研究の進捗状況 平成19年度は本研究の初年度にあたり、主にオーストラリア・ヴィクトリア州とクイーンズテンド州における移住日本人グループに焦点を当てた調査を行った。ヴィクトリア州ではメルボルンを中心に、自らも移住者である日本人ソーシャルワーカーとソーシャルワークを専攻する大学(院)生にインタビューを行い、彼らが実際に果たしている支援機能と日本人コミュニティとの関係、彼ら自身のエスニック・アイデンティテイや帰属意識、倫理規範などについて詳細に聞き取った。また、クイーンズランド州ではブリスベインに焦点化して調査を行った。その結果、この地を窓口として移住してくる日本人に対して心理・社会的支援を行うのはソーシャルワーク専門職ではなく、自らも移住者である日本人旅行会社エージェントであることに注目し、エージェントネタップが果たしている支援機能と、その根底にある倫理・価値規範などについてインタビユーを行った。 研究の意義・重要性 オーストラリアに移住する日本人は、若い移住者になればなるほど「レジャー移住志向」が強まるため、他民族のようにエスニック・マイノリティ・コミュニティを形成することにあまり積極的ではない。そのため、移住・定住に関連して起こるさまざまな心理・社会的困難やストレスに対する支援システムが存在せず、アドホ,クな解決が成される傾向がある。そこで、このような現状で自覚的・無自覚的に支援機能を果たしている人々に焦点をあてて具体的な状況を明らかにすることは、海外日本人コミュニティの現状の一端を明らかにするだけでなく、引き続いて今年度(20年度)に行う滞日外国人コミュニティにおける自助支援機能の状況と比較することで、日本人が自らの社会において行うエスニック・マイノリティ支援の方法について、具体的な方策を示すことができるようになる。
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Research Products
(2 results)