2008 Fiscal Year Annual Research Report
ジャーナリストの惨事ストレスに対するケアシステムの構築
Project/Area Number |
19330140
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 豊 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60173788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 清志 東洋大学, 社会学部, 教授 (50125978)
井上 果子 横浜国立大学, 教育人問学部, 教授 (10242372)
福岡 欣治 静岡文化芸術大学, 文化政策学, 准教授 (80310556)
小城 英子 聖心女子大学, 文学部, 講師 (60439510)
畑中 美穂 名城大学, 人間学部, 助教 (80440212)
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Keywords | 惨事ストレス / ジャーナリスト / ストレスケア |
Research Abstract |
ジャーナリストの惨事ストレスとストレスケアの実態を把握し、対策を提言するために、ジャーナリストを対象とした調査、有識者調査、海外研究者との連携活動を行った。平成20年5月〜6月に、新聞社に勤務する報道関係者を対象に質問紙調査を行い、管理職102名、非管理職291名の回答を得た。同調査では、外傷後ストレス障害の指標となるIESRのリスク率を算出したが、管理職5%、非管理職12%となり、新聞社ジャーナリストが一定の惨事ストレスを被っていることが確認された。同年9月に日本民問放送労働組合連合会事務局職員を対象に面接調査を行い、労働組合としては報道にともなう惨事ストレス対策を講じていないことが明らかになった。同年12月8日に、東洋大学において研究者を対象としたシンポジウム(「ジャーナリストと心的外傷」)を開催し、2007年度の成果を含めて研究成果を発表した。新聞社調査の結果は、平成21年3月14日、15日に開催された日本トラウマティックストレス学会において発表した。同年2月25日には、日本新聞協会に招聘されて会見し、本研究プロジェクトの研究成果と研究に基づくジャーナリストのストレス対策に関する提言を発表した。海外研究者との連携としては、平成20年9月20日に韓国の梨花女子大学Hyun-nie Ahn氏と心的外傷研究に関する情報交換を行った。上記のシンポジウムでは、ダートセンター・オーストラリア代表のCatherine McMahon氏を招聘し、ジャーナリストの心的外傷の様態とそのケアのあり方について講演していただいた。これらの研究成果は、書籍1冊、大学紀要および新聞協会の機関誌論文4件、学会発表6件に発表するとともに、2件の新聞記事で取り上げられた。
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