2009 Fiscal Year Annual Research Report
ジャーナリストの惨事ストレスに対するケアシステムの構築
Project/Area Number |
19330140
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 豊 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60173788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 清志 東洋大学, 社会学部, 教授 (50125978)
井上 果子 横浜国立大学, 教育人間学部, 教授 (10242372)
福岡 欣治 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 准教授 (80310556)
畑中 美穂 名城大学, 人間学部, 助教 (80440212)
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Keywords | 惨事ストレス / ジャーナリスト / ストレス / 自然災害 |
Research Abstract |
東洋大学21世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センターと共催して、Neil Greenberg氏(キング大学軍隊精神医学)の講演会を行い、ジャーナリストの惨事ストレスに関する啓発活動を行った。しかし、ジャーナリストの参加者は10名と少なかった。 中国の四川大地震で報道したジャーナリストのストレスに関して研究を行った李双龍氏(復旦大学新聞学院副院長)らと情報交換し、上海のジャーナリスト3名に対して聞き取りおよび面接調査を行った。中国のジャーナリストにも一定の惨事ストレス反応が見られることが確認され、今後の研究交流が約された。 昨年度までに実施した調査データを解析し、雑誌論文5件(内1本は英文誌)、学会発表7件を発表した。研究成果のまとめとして、報告書を公刊し、各報道機関や調査協力者に送付した。さらに、本研究で開発した「ジャーナリストの惨事ストレスセルフチェックリスト」を含むホームページを作成し、発表した。 報告書では、ジャーナリストの惨事ストレスケアシステムとして下記の対策を提言した。ジャーナリスト自身が個別にとるべき対策は、(1)惨事ストレスを理解するとともに、自身の心身状態を把握し自覚すること、(2)仕事の達成感を得るとともに、休息をバランスよくとること、(3)会話を中心とするセルフケアをすることである。組織としての惨事ストレス対策は、(4)パンフレットや講演や研修を通して、惨事ストレスへの理解を徹底すること、(5)上司による部下を支援する機能の強化すること、そのために上司に対するストレスの研修を実施すること、(6)専門家に紹介しやすいシステム作りである。
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