2009 Fiscal Year Annual Research Report
成果主義のもとでの組織成員の能力およびチーム力形成に関する研究
Project/Area Number |
19330143
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 久敬 Kyushu University, 人間環境学研究院, 教授 (30190143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 裕幸 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (50243449)
柳澤 さおり 中村学園大学, 流通科学部, 准教授 (00341397)
池田 浩 聖トマス大学, 人間文化共生学部, 助教 (80454700)
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Keywords | 成果主義 / 個人能力 / コンピテンシー / チーム力 / 経験による学習 / 振り返り習慣 |
Research Abstract |
● 個人の能力形成の心理メカニズムの解明 1 個人の能動的能力学習のメカニズムに関して、self-regulationの観点から、理論的な整理を行った。 2 将来の自己の成長に、過去の経験の振り返りが効果を持つことが指摘されてきている(Markman et al.,1993など)。そこに存在する心理的メカニズムについて、実証的に検討した。経験の振り返りを通して、精神的報酬(特に自信)と教訓(成功および失敗原因の抽出)が得られることが必要条件であった。 ● チーム力形成の促進要因の解明 3 前年度に開発を行ったチーム力に関するレベル1(結束、相互理解)、レベル2(相互補完)、およびレベル3(創発性、チーム改革力)を測定するチーム力診断尺度の信頼性および妥当性を検討した。 4 高レベルのチーム力形成について、および高レベルのチーム力とチーム成果との関連性について実証研究を行った。レベル3のチーム力(創発性、改革力)とチーム成果との間に強い関係性が認められた。 5 チーム力の形成はチームの成長としてとらえることができる。レベル1のチーム力形成には成果目標の設定が、レベル3には学習目標および協力目標の設定が強い関連性を持っていた。また、チームとしての経験の振り返りも関係をしており、失敗の肯定的振り返りとともに、反省的な振り返りが関係していた。 ● 研究成果の発表について 6 3年間の個人能力の形成およびチーム力形成に関する研究成果を研究報告書としてまとめた。 7 第20回ヨーロッパ心理学会議(ノルウェー、オスロ)、産業・組織心理学会大会(平成21年8月)など国内学会において研究成果の一部について発表した。 8 成果主義のもとでの個人能力およびチーム力形成にかかわる本研究の成果を多く取り入れた書籍(人的資源マネジメント白桃書房)を2010年7月に刊行し、研究成果の社会への還元を行う。
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Research Products
(16 results)