2007 Fiscal Year Annual Research Report
若者の仮想的有能感に関する総合的研究-特に形成要因と問題行動に着目して-
Project/Area Number |
19330147
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
速水 敏彦 Nagoya University, 教育発達科学研究科, 教授 (20116172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 荘子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (00313924)
小平 英志 名古屋柳城短期大学, 保育科, 助教 (00442228)
木野 和代 広島国際大学, 心理科学部, 助教 (30389093)
小塩 真司 中部大学, 人文学部, 准教授 (60343654)
高木 邦子 広島国際大学, 心理科学部, 助教 (00447864)
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Keywords | 仮想的有能感 / 自尊感情 / いじめ / 非行少年 / 文化差 |
Research Abstract |
仮想的有能感の形成要因に関しては一つは文化的要因に関するもので日本の若者との違いをみるために、シンガポール、アメリカ、韓国の若者を対象にした調査を実施中である。もう一つは校内での教師・友人との相互作用のあり方が仮想的有能感の変化に影響を与えるか否かを検討するもので昨年の7月と今年の2月に中学生を対象に調査を行った。2時点間での仮想的有能感の変化とその間の相互作用の内容について今後もデータ収集して分析する予定である。 問題行動に関しては一つはいじめについて高校生を対象にした調査を行った。仮想的有能感の高い人たちは概していじめの加害者になることも被害者になることも多い傾向にあることが示された。特に無視する、のけ者にするといった陰湿ないじめについては仮想的有能感ガ高くて自尊感情の低い仮想型といわれる人たちに多発していた。さらに非行少年の仮想的有能感についても検討を試み、非行少年は普通の高校生に比べて仮想的有能感が高く、自尊感情の低い仮想型が有意に多いことを明らかにした。 その他にも仮想的有能感の概念の無意識性に関連して潜在的自尊感情との関連についての検討、さらには仮想的有能感と学習に関するコミュニケーション内容についての検討もおこなった。前者については仮想的有能感の高い人は顕在的自尊感情は低いが潜在的自尊感情は高いこと、後者については仮想的有能感の高い人は他人に対して批判的で援助を求めたり、自分から援助しようとはしない傾向にあることなどが明らかになった。
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Research Products
(7 results)