2008 Fiscal Year Annual Research Report
若者の仮想的有能感に関する総合的研究-特に形成要因と問題行動に着目して-
Project/Area Number |
19330147
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
速水 敏彦 Nagoya University, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (20116172)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小塩 真司 中部大学, 人文学部, 准教授 (60343654)
木野 和代 広島国際大学, 心理科学部, 助教 (30389093)
高木 邦子 聖霊クリストファー大学, 社会福祉学部, 助教 (00447864)
久木山 健一 九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (10387590)
小平 英志 名古屋柳城短期大学, 保育科, 准教授 (00442228)
|
Keywords | 仮想的有能感 / 自尊感情 / 形成要因 / 問題行動 |
Research Abstract |
仮想的有能感の形成要因に関して比較文化的研究を進めている。平成20年度にはアメリカ、カナダ、シンガポール、韓国、台湾の大学生・高校生・中学生のデータを収集した。シンガポールと日本の中学生の比較については既に学会発表も行った。日本の中学生はシンガポールの現地中学生に比べて仮想的有能感が高く、自尊感情が低い傾向が認められた。また、シンガポールの日本人学校の中学生は日本の中学生よりも仮想的有能が低く、自尊感情が高い傾向が認められた。他のデータはまだ学会発表はしていないが、大学生の比較ではアメリカ、カナダといった個人主義の進んだ国では仮想的有能感も自尊感情も高いことが示された。さらに韓国に関しても日本よりは仮想的有能感も自尊感情もアメリカやカナダに近い傾向が認められた。 また、小塩らは、Big Fiveを用いて当人の自己評定だけでなく、友人からの評定も求めたところ、仮想的有能感の高い人物は自分では知的好奇心が高い人物と考えているが、友人からは優しさに欠け、誠実ではないとみられるという結果を得て、アメリカでの学会で発表した。また、小塩らはこれまでに見てきた顕在的自尊感情でなく潜在的自尊感情が仮想的有能感と正の関係にあることも明らかにした。これはまもなくパーソナリティ研究に掲載される予定である。他に問題行動に関する研究も進めており、高校で教師の係わりがよくなると仮想的有能感が低下するというような結果も得ており、次年度には学会誌に投稿したいと考えている。
|
Research Products
(4 results)