2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトおよび霊長類がおこなう対象・身体・空間のイメージ操作の進化的理解に関する研究
Project/Area Number |
19330159
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川合 伸幸 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (30335062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森村 成樹 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (90396226)
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Keywords | イメージ操作 / 霊長類 / 進化 / 身体 / 空間 |
Research Abstract |
36名のヒトを対象に、ヒトの手、サルの手、文字に対する心的回転の研究を実施した。その結果、従来の研究の通り、文字では180度を頂点とした反応速度の遅延が見られ、ヒトの手に対しては、実際の稼動範囲の制限に合わせて反応速度の頂点が移動することが確認された。また、サルの手に対しても、ヒトの手ほどではないが、反応速度の非対称性が確認された。すなわち、サルの手であっても、ヒトが判断する際には、自分の手であるかのようにして表象を操作することが示唆された。 サルを対象とした研究では、まずヒトの実験で試用するための刺激となる、手の写真を収集した。さらに、実際の心的回転のための訓練を行い、現在は文字を刺激として、いくつかの角度での弁別訓練を、週に5日のペースで継続しているところである。次年度には、文字のほかに、ヒトやサルの手を刺激とした心的回転の実験を遂行する予定である。 チンパンジーについては、チンパンジー・サンクチュアリ・宇土の大人雄19個体を対象に、心的回転課題の訓練として、コンピューターを用いた2選択課題、指さしによる2選択課題を実施しか。うち5個体が高い正答率を示した。また、飼育者がチンパンジーと同室する対面場面で、大人雌2個体を対象に、つみ木積み課題とはめ板課題を実施した。うち1個体は積み木を10個積むことができ、対象を操作し適切な向きで穴に入れるという基本的な操作をおこなうことができた。訓練を継続し、次年度に心的回転課題を実施する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]
Author(s)
川合伸幸
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Journal Title
現代の心理学Psychology Today(培風館) 2007
Pages: 48-64, 105-108
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