2009 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄における若年者の移行過程に関するコーホート調査
Project/Area Number |
19330175
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
上間 陽子 University of the Ryukyus, 教育学部, 准教授 (90381194)
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Keywords | 移行 / 追跡調査 / 沖縄 / 若年者 / 労働 |
Research Abstract |
本研究では、沖縄の若年者の移行過程の全体的な状況把握と、それぞれの過程をたどる者たちが、どのような諸要因に規定されて、それぞれの移行過程をたどるのか、それらの過程に即してどのような問題が生じており、どのような社会的支援が必要とされているのかを明らかにすることを目的としている。具体的には、初年度20歳を対象にして調査期間である3年間の間継続調査を実施することで、若年者の移行過程の全体的な状況を把握することを目的としてなされている。初年度500サンプル、2年目401サンプル、3年目380サンプルが得られるなど継続調査において非常に高い有効回答を獲得している。 なお、調査をへて得られた知見には、(1)男性正規社員の「過酷な」労働状況、(2)大学生の「就活」に見られる困難-(1)就職活動が社会経済的要因に規定されており、暮らし向きや居住地の規模などにおいて不利な状況にあることが就職活動における経済面の不安と結びつくこと、(2)就活において奨励される自己の適正をはかることや真面目さが、精神的、身体的困難と結びつくこと、(3)ポスト近代的能力の面において自信のない不器用な若者たちは内定の有無ならびに就活過程において困難に直面していること、(3)階層と社会関係資本の多寡の関連-高階層においては社会関係資本のバリエーションが豊富であり、低階層においては社会関係資本として家族をあげるものが多い、(4)沖縄においても他地域と比べて社会関係資本が潤沢なわけではなく、それらが姉妹・兄弟に集中していることなどの知見を得られた。
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Research Products
(3 results)