2009 Fiscal Year Annual Research Report
基礎教育における住民参加・地域運営の取り組みと国際協力のあり方に関する比較研究
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19330186
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
浜野 隆 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (00262288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 伸子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (70017630)
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Keywords | 初等教育 / 幼児教育 / 就学前教育 / 住民参加 / ベトナム / カンボジア / 基礎教育 / 幼小連携 |
Research Abstract |
本年度は、ベトナム・カンボジア両国でこれまでに実施してきた調査結果を整理し、分析を行なった。まず、ベトナムに関しては、基礎教育における住民参加の形態として実施が進んでいる「教育の社会化」事業に関する分析を行なった。ベトナムにおいては特に基礎教育の中でも初等教育の質保障に関する規定の作成やプロジェクトの実施が進んでいること、また、質の保証に関しては、国家基準の制定とともに、社会経済的な困難を抱えた地域に特に向けた最低基準(ファンダメンタル・スクール・クオリティ・レベル)の設定が進んでいること、その中で教育の社会化の役割が重視されていること、住民参加が教育格差の是正に積極的な役割を果たしている地域があることが明らかになった。これらの調査結果を踏まえ、ベトナム語での中間報告資料を作成し、関係者との共有を図った。 カンボジアに関しては、基礎教育における就学レディネス(就学前の小学校準備状況)の測定を5歳児、6歳児に関して追跡的に実施した。その就学後の効果について、住民参加が進んでいる地域とそうでない地域との比較を次年度に行なう予定である。カンボジアの幼児教育に関しては、コミュニティの参加を重視した形態の幼稚園が国際支援等によって進められていること、都市部と農村部との間で、保育に関する施設設備(トイレや水の利用可能性)や親の子どもへの本の読み聞かせ等の実践において差がみられること、カンボジアの幼児教育における格差は、階層間・地域間のみに見られるもののみならず、幼児教育の形態間・形態内の格差も存在する。幼児教育の形態間・形態内の格差は家庭の所得とも密接と関連しており、所得格差が幼稚園の選択に顕著に現れていることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Shin'ichi Suzuki
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Journal Title
Asian Perspectives on Teacher Education(Routledge)
Pages: 156-169
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