Research Abstract |
4年間の研究計画の第2年次にあたる本年度は, 小学校児童を対象とした算数科授業データ収録の方法に関する実証的検討と具体的手法の整備に焦点を当てて研究を推進した。具体的には,先行するプロジェクト (TheLearner' Perspective Study) でこれまでに開発してきた研究方法を援用して, 小学校算数科における授業について,栃木県宇都宮市内の公立小学校第6学年の教室において,「比例」の単元の授業を連続10単位時間分収録するとともに,授業者と抽出児童を対象として授業後のインタビューを行った。その際,従来の研究と同様の3台のビデオカメラによるデータ収録について, 児童の学習における操作的活動や記述行為を十分に視野に入れて行うための具体的手法として, ハンディカメラによるデータ収録を試みた。 以上の通り収録したデータは,授業者と学習者の両者の視野からの授業の特徴付けを行うために, 順次詳細に分析する予定である。 以上の実施のために,研究分担者による国内会議を (平成20年11月) 開催し, データ分析方法の検討及び研究の実施全般について討議を行った。 また, 研究代表者が, 研究協力者とともに第11回数学教育世界会議(ICME11, 平成20年7月, モンテレイ,メキシコ), 及び第32回数学教育に関する心理学国際研究会 (PME31, 平成20年7月, モレリア, メキシコ) に参加し, データ収録の方法に関わる検討について資料収集を行うとともに, D. Clarkeメルボルン大学教授, F. Leung香港大学教授ら海外の共同研究者との研究討議を行った。
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