Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植山 俊宏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50193850)
田中 智生 岡山大学, 教育学部, 教授 (00171786)
村井 万里子 鳴門教育大学, 教育学部, 教授 (30174262)
三浦 和尚 愛媛大学, 教育学部, 教授 (40239174)
山元 隆春 広島大学, 教育学研究科, 教授 (90210533)
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Research Abstract |
1 コミュニケーションモデルの構築 話し合いの能力を,個の中の閉じた能力ではなく,関係性の中で捉えられる能力であると捉え,Neil, Mercerの立論を手がかりにコミュニケーションモデルを構築した。話し合い活動を捉える際に,一つ一つの発話の機能を問題にするのではなく,話し合いのやりとりに注目し,そこに見られる展開の質に着目する考え方である。コミュニケーションモデルの観点として,以下の3点を導いた。(1)累積(拡散・連鎖)…低学年・中学年・高学年以降,(2)分離(対立・協調)…中学年以降,(3)組織化…高学年以降。そして,同一課題による小学生の話し合い能力の発達に関する調査に照らして,分析を行った。 2 論証的な話し合いについての中学校実験授業 2009年9月29目30日に岡山市立高松中学校において中学校3年生に対する話し合いの取り立て指導の授業を行った。中学校3年生のカリキュラム上の指導事項は,多角的な考えを持って,対立する立場を含めて,複数の立場や考えを想定して最適なものを選択する,というものである。具体的には,多角的な考えを持つ,社会へ視野を広げる,反証に備えて発表する,という課題を立てた。2008年度の三角ロジックを用いてアナウンサーへの質問を行う課題に対して,今年度は,18歳成人論を踏まえて成人年齢を決定する話し合いを行った。分析の結果,社会にまなざしを向ける公共性を持った課題に対して論証的に話し合うことが有効であることが明らかになった。
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