2007 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害児への包括的な教育支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19330211
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡部 匡隆 Yokohama National University, 教育人間科学部, 准教授 (30241764)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 自閉症 / アスペルガー障害 / 児童生徒 / 社会参加 / 地域生活 / 治療教育 / 指導プログラム開発 |
Research Abstract |
本研究は、小学校高学年から中学校の段階にある主に通常の学級に在籍する知的障害を伴わない広汎性発達障害児に対する直接的な支援と、当該の児童生徒を取り巻く家族(保護者)、級友、教員などに対する間接的な支援からなる包括的な教育支援プログラムの開発を目的としている。 平成19年度から3カ年計画で実施しており、平成20年度からの情緒障害通級指導教室における包括的な教育支援プログラムの実施検証を行うために平成19年度は主に以下の活動を実施した。 1.国内外の広汎性発達障害児に対する教育支援状況の視察 広汎性発達障害児に対する教育プログラム及びその指導・支援のために必要な環境整備について明らかにするために、韓国(ソウル)の自閉症養護学校と日本(香川)の情緒障害通級指導教室について視察及び意見交換を実施した。 2.広汎性発達障害児に対する治療教育プログラムの開発とその効果に関する臨床的検討 平成15〜17年度に科研費の助成を得て広汎性発達障害児に対する9領域にわたる治療教育プログラムの開発を行ってきた。本年度は、あらたに教育アセスメントの定式化に関する検討と広汎性発達障害児の社会性の特性の解明とプログラム開発を行った。加えて、これまでに開発されてきた治療教育プログラムをあわせて、大学の教育相談機関に通所する児童生徒に対してその効果に関する臨床的検討を行った。 3.通常の学級における支援ニーズの解明と級友に対する支援プログラムの検討 通常の学級において広汎性発達障害児とそれを取り巻く一般の児童生徒とどのようなかかわりの実態や支援ニーズがあるか、さらに、一般の児童生徒の理解と広汎性発達障害児を含めて学級内での豊かな相互作用を育むためにどのような支援が必要か、教職員に対する調査研究と小学校における実施研究を行った。
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