2007 Fiscal Year Annual Research Report
残存機能を開発する障害児教育法-時間・空間的文脈の誘導効果とその応用-
Project/Area Number |
19330214
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
早川 友恵 Teikyo University, 文学部, 教授 (60238087)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺園 泰 情報通信研究機構, 第一研究部門, 専攻研究員 (90435785)
藤巻 則夫 情報通信研究機構, 第一研究部門, 主任研究員 (80359083)
眞溪 歩 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (50273842)
|
Keywords | 視覚障害 / 障害児教育 / 劣化画像 / 視覚認知 / 脳機能 |
Research Abstract |
視覚障害児が自らの残存視覚を活用した新たな情報処理システムを獲得するための支援教育について、その基礎研究を行う。生態情報処理系の特性、すなわち入力情報の処理が文脈効果や予測によって促進・抑制される現象を認知神経科学の観点から再考し、障害児支援の教育現場にフィードバックできる学習理論を提案し、障害児のQOLの実質的向上を目指す。平成19年度は、1.行動実験および脳機能計測に適応でき、かつ定量化が可能な情報劣化のプロトコールを開発・完成した。2.情報劣化の程度と単語認知の関係を、正常成人の行動実験で明らかにした。また実験過程で本刺激が日本語の言語習得の客観評価に適することが判明した。3.同様の刺激をもちい、非侵襲脳機能計測(機能的磁気共鳴画像法・全頭型脳磁界計測法)を行った。脳磁界計測実験は既存の解析PCの制限により一端中止し、機能的磁気共鳴画像実験を進めた。その結果、視覚的に劣化した言語情報と非劣化言語情報の脳内処理過程の相違が明らかになった。劣化言語情報の処理を行う時には、前頭下部ブロードマン47野・前帯状回等が活性化することが判明した。また、非劣化言語情報の処理では左半球言語関連領野および後頭葉視覚野の活動が確認できた。その他、言語情報の他に形態情報の劣化についての実験を行うための準備を行った。本実験については、学童を対象にした実験を検討中である。また先行情報の効果を検証するための実験パラダイムを計画中である。 空間的予測形成と視覚認知に関する実験については、プログラムの基本構造が完成したので、成人および小児を対象にした実験が可能な改良を施し、行動実験を行う予定である。
|
Research Products
(12 results)