2009 Fiscal Year Annual Research Report
通常学級へのコンサルテーション~軽度発達障害児及び健常児への教育的効果
Project/Area Number |
19330215
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
藤井 茂樹 The National Institute of Special Education, 教育相談部, 総括研究員 (80443331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 由美子 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育研修情報部, 研究員 (90443332)
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Keywords | コンサルテーション / 授業改善 / 学級経営 / 発達障害児 |
Research Abstract |
研究者が定期的に学校を訪問し、学校の人的資源を活用したコンサルテーションと、市の巡回相談員によるコンサルテーションからの学習のユニバーサルデザインの導入に取り組んだ。特別支援教育体制における巡回相談のシステムを活用したコンサルテーションをである。 巡回相談ケース1(自校の通級指導教室担当者によるコンサルテーション) 自己省察力が高い5年担任へのコンサルテーションを通して、学級担任は自分の授業を振り返りながら集団指導の中での個別支援に取り組んだ。授業で児童ができた、わかったを確実にしていくことにより、学級経営が進めやすくなることを実感した。つまり、授業と学級経営は両輪であることの実感である。学級が安定し授業が改善されるにつれ、特別支援対象児を含め配慮を要する児童の意欲が向上し、少しずつではあるが、学力の向上が見られた。 巡回相談ケース2(市の巡回相談員によるコンサルテーション) コンサルテーションは、教師自身の授業の考え方や授業改善を心がけているかに大きく影響を受けた。特定の教科の授業改善から取り組む場合、特別支援教育からのコンサルテーションに加えて、教科指導の専門家の指導助言が不可欠である。 学校における取り組みでは、教員間において特別支援教育がめざす授業の在り方についての共通理解と、あわせて学年部の理解協力が得られるかどうかが最低条件であった。通常学級にいる発達障害児への支援では、個別の指導計画をもとに作成する「教科別の支援シート」が必要である。このシート作成では、対象生徒の学習特性を踏まえたものとするために、巡回相談のシステムを活用することが必要である。 学習面に困難を持つ生徒や理解の良い生徒をも視野に入れた授業づくりを進め、生徒相互の学び合いを取り入れることが重要である。
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