2008 Fiscal Year Annual Research Report
乗数イデアルと密着閉包の可換代数及び計算代数の視点からの研究
Project/Area Number |
19340005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 健一 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (80240802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 光靖 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (10208465)
伊山 修 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (70347532)
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Keywords | 乗数イデアル / 密着閉包 / Hilbert-Kunz重複度 / 完全交叉 / グラフイデアル / Stanley-Reisner環 / 形式的冪 / Buchsbaum環 |
Research Abstract |
研究代表者の業績の一部を報告する。 1. 単項式イデアルの算術階数の研究: 研究代表者は大学院生の木村杏子氏を本研究費にて雇用し、寺井直樹氏の協力の下で、木村杏子氏を中心に単項式の算術階数の研究を行った。具体的には、算術階数に関する古典的な結果を改良し、基本対称式を用いた方法を開発し、イデアルの極小生成系の個数の高さとの違いが高々1の場合に、及び、その双対に対して算術階数が射影次元に等しいことを証明した。さらに、寺井直樹氏が考案したイデアルに付随する超グラフの理論を用いて、イデアルの極小生成系の個数の高さとの違いが2のグラフを完全に分類し、応用として、その算術階数が射影次元に等しいことを証明した。 2. 局所的完全交叉なスタンレー・リースナーイデアルの分類:研究代表者は寺井直樹氏と協力して、次元が高い連結な局所的完全交叉複体は完全交叉複体に限ることを、組み合わせ論的議論を用いて証明し、低次元の結果と合わせて、局所的完全交叉複体の分類定理を証明した。その結果と前の研究課題における研究成果の1つである、斉次ブックスバウム代数の重複度に関する下限定理(研究代表者と後藤四郎氏による)を利用して、スタンレー・リースナーイデアルにおいて、古典的なカウスク・ノリの定理の一般化を証明した。この結果は局所環においても未解決な課題である。また、同じ定理の精密化についても現在検討中である。これらの結果は、今後の局所環の研究において新しい理論を生み出す可能性もあり、重要な意味がある。
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Research Products
(5 results)