2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340006
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 啓 Kyoto University, 数理解析研究所, 教授 (00201666)
|
Keywords | インスタントンの数え上げ / 偏屈連接層 / 壁越え / モジュライ空間 |
Research Abstract |
代数曲面を一点でブローアップした曲面を考える。このとき、その連接層の導来圏の中のアーベル圏として、偏屈連接層の圏と呼ぶものを、Bridgelandの類似の3次元の多様体の場合の研究に基づき、連携研究者の吉岡とともに定義し、そのモジュライ空間の研究を行った。今年度は、モジュライ空間の上の交叉理論が、壁越えでどのように変わるかを、具体的に書き下し、その応用として数年前から行ってきたインスタントンの数え上げの研究を、物質場付きの場合にまで拡張した。 特に、その応用として、Donaldson不変量とSeiberg-Witten不変量が等しいというWittenの予想を代数曲面の場合にGottsche、吉岡との共同研究において証明した。(論文投稿中)望月拓郎による、Donaldson不変量とSeiberg-Witten不変量を曲面のヒルベルト概型上の積分を用いて結びつける公式を出発点として、この積分を、インスタントンの数え上げを用いることで計算する、という手法であった。 また、これとは別に次数付き箙多様体上の構成可能偏屈層を用いることによって、クラスター代数を実現した。特に、数年前に行った量子展開環の表現環に関する研究と組み合わせることによって、 Hernandez-Leclercの予想を証明した。(論文投稿中)
|