2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340007
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
上野 健爾 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 客員教授 (40011655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 浩雄 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (30211395)
加藤 毅 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20273427)
加藤 文元 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50294880)
清水 勇二 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80187468)
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Keywords | 共形場理論 / モジュラー函手 / 位相的場の理論 / タイヒミュラー / GNS構成法 / ゲージ対称性 / 分岐被覆 / 剛幾何学 |
Research Abstract |
研究代表者は以前、Joergen E.Andersenとの共同研究で共形場理論をもとにモジュラー函手を構成し、それによって位相的場の理論を構成していた。リー代数sl(n C)をゲージ対称性に持つ共形場理論から構成した位相的場のの理論は、量子群を使ってReshetikhin-Turaevによって構成された位相的場の理論と一致することを本研究の初期の段階で見出した。Reshetikhin-Turaevによる位相的場の理論はBlanchetによってヘッケ代数の表現とスケイン理論を使って再構成された。本研究ではこのBlanchetによる位相的場の理論と共形場理論から構成される位相的場の理論の間の同型を種数0の場合に具体的に与えることによって両者の同型を証明するものであったが、従来の証明では大変複雑な議論を必要とした。しかしながら、GNS構成法を使ったヘッケ代数の表現を考えることによって、この同型が明確になり、従来の複雑な議論を回避することに成功した。さらに、この新しい証明によって種数0の場合、位相的場の理論と共形場ブロックとの対応が明確になり、種数0の点付きリーマン面のタイヒミュラー空間上の共形場ブロック束にKZ接続と適合するユニタリ内積が入ることが併せて証明できた。ユニタリ内積に関しては従来からその存在は予想されいたが、sl(2,C)の場合に証明されていただけであって、きわめて重要な進展である。また、位相的場の理論が全く異なる異なる二つの構成法を持つことは、理論を理解する上で新しい視点を提供する意味でも重要である。また、徳永のグループは分岐被覆の理論で新しい知見を、加藤文元のグループは剛幾何学の一般論に重要な進展をもたらした。
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Research Products
(4 results)