2007 Fiscal Year Annual Research Report
擬正則写像、フレアーコホモロジーの研究とシンプレクテック幾何への応用
Project/Area Number |
19340017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 啓史 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50223839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90211870)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
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Keywords | シンプレクティック幾何 / フレアーコホモロジー / ラグランジュ部分多様体 / ホモトピー代数 / ミラー対称性予想 / 変形理論 / トーリック多様体 / シンプレクティック充填 |
Research Abstract |
ラグランジュ部分多様体に付随するフィルター付きA∞代数とフレアーコホモロジーの障害理論と変形理論に関する論文の加筆改訂作業に集中し、多くの時間と労力を費やした。これは本研究課題の研究分担者でもある深谷賢治(京都大)、小野薫(北海道大)及び、Yong-Geun Oh(ウイスコンシン大)各氏とめ共同研究である。今年度は全10章のうち、8章、9章、10章を完成させ、Appendix A1とともにプレプリントとして、ウエッブ上で公開した。数学的内容としては、8章は半正シンプレクティック多様体のラグランジュ部分多様体に対する整数環上の理論の構成と応用(例えばArnold-Givental予想など)、10章はラグランジアン手術理論に伴う擬正則円盤のモジュライ空間の精緻な解析である。また、本論文執筆と同時に、トーリック多様体のトーラスファイバーの場合に、我々が導入したポテンシャル関数を詳しく計算し、シンプレクティック幾何へのいくつかの興味深い新しい応用を得ることができた。例えば、いかなるハミルトン同相写像でも交叉がないよう分離できないトーリックファイバーの特徴付けを得、多くの例でそれを具体的に決定することができた。これらを上記各氏との共著論文としてプレプリントLagrangian Floer theory on compact toric manifolds I.(2008).ar Xiv:math/0802.1703として発表した。 また、特異点とシンプレクティック充填との研究では、小野薫氏とともに、そのリンクが可算無限個の異なる微分同相類をもつシンプレクティック充填が存在する孤立特異点の具体例を構成した論文を発表することができた。また平滑化がK3曲面にコンパクト化される特異点のリンクのシンプレクティック充填の数量的不変量の間に成り立つ不等式を導出し発表した。
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Research Products
(3 results)