2008 Fiscal Year Annual Research Report
擬正則写像、フレアーコホモロジーの研究とシンプレクティック幾何への応用
Project/Area Number |
19340017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 啓史 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50223839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90211870)
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Keywords | シンプレクティック幾何 / フレアーコホモロジー / ラグランジュ部分多様体 / トーリック多様体 / ホモトピー代数 / ミラー対称性予想 / non-displaceable / シンプレクティック充墳 |
Research Abstract |
部分多様体に付随するフィルター付きA∞代数とフレアーコホモロシーの障害理論と変形理論に関する論文の改訂作業に集中し、多くの時間と労力を費やした。これは本研究課題の連携研究者でもある深谷賢治(京都大)、小野薫(北海道大)及び、Yong-Geun Oh(ウイスコンシン大)各氏との共同研究である。今年度は本として出版するための原稿の整備に労力が費やされた。すなわち、出版社からのページ数に関する要請により、完成した10章を全て一度に出版することができなくなり、10章のうち2章を他の形で出版することとした。残り8章分を2巻本として各500ページ以内に絞り込む作業を行った。これと平行して、トーリック多様体のラグランジアントーラスファイバーの場合の具体的な計算とシンプレクティック幾何への具体的な応用とを与え、それに関する成果を2本の論文としてまとめ、アーカイブで公表した。(Lagrangian Floer theory on compact toric manifolds I. (2008). arXiv math/0802. 1703,および、II: Bulk deformations.(2008). arXiv; math/0810.5654.) Part Iの論文は投稿中で、現在、査読者のコメントに従い改訂中である。この論文によって、例えば、いかなるハミルトン同相写像でも交叉がないよう分離できない(non-displaceable)トーリツクファイバーの特徴付けを得、多くの例でそれを具体的かつ明示的に決定することができたことはシンプレクティック幾何における顕蓍な成果といえる。 他に、モース複体を用いたフィルター付きA∞代数の構成に関する論文もアーカイブで公表した。(Canonical models of filtered $A_{\infty}$ algebras and Morse complexes. (2008). arXiv: math/0812.1963)
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