2007 Fiscal Year Annual Research Report
生物情報を解明するための統計数学的基礎理論とその応用
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19340020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
赤平 昌文 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70017424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青嶋 誠 筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授 (90246679)
小池 健一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90260471)
大谷内 奈穂 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (40375374)
白石 高章 横浜市立大学, 総合科学部, 教授 (50143160)
田中 秀和 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50302344)
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Keywords | 生物統計 / 臨床統計 / 情報量 / 漸近有効性 / 一致性 / マルコフ連鎖 / Edgewoth展開 / Cornish-Fisher展開 |
Research Abstract |
本研究課題の下で、バイオインフォマティクス、医薬学分野等の情報解析における統計数学的基礎理論の研究を行った。特に、正則条件が必ずしも成り立たないような非正則な場合に、母数の推定量の良さを評価するために、情報量の概念が有用である。本研究において、従来の文献を参照して、これまでに提案されてきた情報量の性質について調べた上で、全変動による情報量を提案し、これによって推定量の情報量損失を測るとともに情報量損失を漸近的に起こさないような推定量を漸近有効推定量と呼び、そのような推定量を見つけた。また、漸近有効性の概念は高次まで拡張可能であることも分かった。そして、この情報量を用いることによって、推定量の一致性の収束の最大のオーダーを得ることができることを示した。次に、有限マルコフ連鎖の推移確率の推定において、有限ステップを観測し、ある状態からある状態に移る回数から成るベクトルは多項分布に従うと見なされるので、推移確率の推定について考えた。そして、初期成功確率をもつ従属ベルヌーイ確率変数の和の分布を2状態マルコフ連鎖によって決定される一般2項分布として捉え、帰納的にその分布を求められることを示した上で、その正規近似、Edgeworth近似を求めた。本研究では、Cornish-Fisher展開を用いて一般2項分布のパーセント近似を求め、区間推定の観点から初期成功確率の下側限界および信頼区間を求めた。さらに、推定論において重要な概念である推定量のミニマックス性、許容性について研究し、特に未知の平均、分散をもつ正規分布からの無作為標本に基づく不偏分散から成る線形推定量の許容性に関する結果を得た。
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Research Products
(12 results)