2010 Fiscal Year Annual Research Report
生物情報を解明するための統計数学的基礎理論とその応用
Project/Area Number |
19340020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
赤平 昌文 筑波大学, 副学長 (70017424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青嶋 誠 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90246679)
小池 健一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90260471)
大谷内 奈穂 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (40375374)
鳥越 規央 東海大学, 理学部, 准教授 (40297180)
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Keywords | 生物統計 / 臨床統計 / 一般化情報量 / 情報量損失 / 一致性 / 極値統計量 / 漸近補助統計量 / Edgworth展開 |
Research Abstract |
本研究課題の下で、バイオンフォマァティクス、医薬学分野等の情報解析における統計数学的基礎理論の研究を行った。特に、臨床統計データ解析においてしばしば現れる切断分布のような非正則分布の場合にその母数に関して統計量が持つ情報量損失を考えることは重要で、そのような場合に高次まで情報量損失を起こさないような統計量を見っけることを考えた。まず、未知の母数θをもつ母集団分布からの大きさnの無作為標本に基づく統計量の(θに関する)情報量は元の情報量を超えないことは知られている。そしてそれらの情報量の差はその統計量の情報量損失として評価されている。通常は、分布が滑らかであるような正則条件を課した正則な場合を論じ、情報量としてFisher情報量を用いて情報量損失について考えることが多い。しかし、正則条件が必ずしも成り立たないような非正則な分布族の場合にはFisher情報量は使えないので、Akahira(1996)において導入された一般化情報量を用いた。ここで統計量の一般化情報量は分布の非正則性に依存する。従来、密度の台が区間であるときに、区間の両端点において密度の値は等しく、また両端点における密度の微分係数の和が0であるという条件を仮定して、極値統計量と漸近補助統計量の組から成る統計量の2次の漸近一般化情報量損失がo(1)となることは示されていた。しかし、その条件は制約的なので上記の条件を課さない一般の場合に拡張することが期待されていた。本研究においてその条件を仮定しないときにも同様の結果が成り立つことを示した。このことはAkahira(1991)における統計量は2次の漸近十分であるという事実とも符合している。その拡張によってその適用範囲が大きく広がり応用への道が開かれたと考えられる。
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Research Products
(4 results)