2008 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導やBEC現象の数理モデルにおける分岐構造と遷移ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
19340026
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
森田 善久 Ryukoku University, 理工学部, 教授 (10192783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神保 秀一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80201565)
小川 知之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (80211811)
町田 昌彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (60360434)
水町 徹 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (60315827)
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Keywords | 超伝導モデル / 分岐解析 / Ginzburg-Landau方程式 / Gross-Pitaevskii方程式 / 渦糸解 / 遷移ダイナミクス / 解の安定性 / ジョセフソン効果 |
Research Abstract |
代表者の森田は、円環領域におけるGinzburg-Landau(GL)方程式の分岐解の性質を調べた。ある条件の下では、境界から渦糸解が出現することを数学的に証明し、その渦糸解の遷移ダイナミクスについても明らかにした。円環領域という位相的に特徴の有る領域における渦糸解の研究としてその意義は大きく注目に値する。小川は、Swift-Hohenberg方程式において、境界条件の摂動によって解の分岐構造がどのように変化するかを調べた。Swift-Hohenberg方程式の定常解の分岐はGL方程式と共通した構造を持つので、この研究成果はGL方程式の分岐解の研究にも発展が期待でき、重要である。 町田は、ナノ超伝導体の特異な性質についてのシミュレーション研究を行った。また、マクロレベルの研究については、時間依存ギンツブルク・ランダウ方程式のシミュレーションコードの高度化を進め、磁束ダイナミクスの研究において未解決の基礎物性(ホール効果、磁束格子ダイナミクス等)の解明を目指して研究を行った。さらに高温超伝導体が固有に持つジョセフソン効果の量子効果を調べた。これらの成果は、超伝導の数値的および理論的研究の発展に貢献する成果である。 水町は非線形シュレディンガー方程式(超流動ではGross-Pitaevskii方程式とよばれる)のソリトン解や、非線形格子モデルにおけるソリトン解の線形安定性に関する数学的研究方法を発展させた。渦糸解の安定性の応用にも期待される興味ある結果である。
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Research Products
(15 results)