2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 仲夫 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)
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Keywords | シュレデインガー方程式 / クラインーゴルドン方程式 / 漸近的振る舞い / 共鳴現象 / 散乱問題 / 臨界冪非線形項 / 散乱作用素 / 修正散乱作用素 |
Research Abstract |
1. 冪乗型非線形Klein-Gordon方程式の散乱問題について研究を行った.空間次元が1あるいは2のとき,臨界幕以上の非線形項に対しては散乱作用素が定義できることを示した.この結果と松村氏の1976年の非存在結果により,空間次元が2の時には冪乗が2であることが解の漸近的性質を決める境目であることが明らかとなった.証明方法においても方程式固有の作用素と解の時間減衰評価を明確にし,散乱作用素の定義域と値域の関係を自然な形にした.この結果は国際雑誌Commun. Contemp. Math., 2009に発表されている. 2. 1次元3次の非線形項を持った非線形Schredinger方程式の初期値問題に対して,解の漸近的振る舞いについて研究を行った.最終値問題に関しては多くの結果が示されている.しかし初期値問題に対しては,微分項を含む非線形項についでの結果以外は満足すべき結果がない.ここでは初期値が奇関数の場合に解の漸近形を明らかにした.初期値が奇関数のとき解の時間減衰がよくなることが熱方程式では知られているが,Schredinger方程式ではそのようなことが起きないことに注意しておく.ここではShatahによるノーマルホームの方法を用いるとき現れる特異性を消すために利用した.この結果は国際雑誌J. Differential Equations, 2009に発表されている. 3. この方法は発散形式で記述できる2次の非線形項の時間大域解および漸近形を求めるときにも重要な働きをすることを我々は発見し応用を試みた.一般に微分項を含む非線形項は微分の損失を引き起こすが,この場合はそのようなことが起こらないことを明確にする必要がある.この結果は国際雑誌J. Math. Anal. Appl., 2009に発表されている.
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Research Products
(6 results)