2007 Fiscal Year Annual Research Report
粘性流体の運動を記述する非線形偏微分方程式系の漸近解析
Project/Area Number |
19340033
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
隠居 良行 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 教授 (80243913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70144631)
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
小林 孝行 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50272133)
井口 達雄 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20294879)
中村 徹 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教 (90432898)
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Keywords | 圧縮性Navier-Stokes方程式 / 安定性 / 漸近挙動 |
Research Abstract |
圧縮性Navier-Stokes方程式などの圧縮性流体の運動を記述する基礎方程式系に対して,波の伝播と粘性による拡散に加えて領域の境界が解の挙動にどのような影響を及ぼすかを解明するために、本年度は以下のような研究を行った。 1.無限柱状領域における圧縮性Navier-Stokes方程式に対して静止状態の安定性解析を行った。撹乱が十分小さけらば、静止状態は漸近安定であることをエネルギー法で示した。さらに、線形化作用素のスペクトル解析を行い、撹乱の漸近挙動における主要部は1次元熱方程式の解で与えられることを示した。証明では、領域の無限方向の変数についてFourier変換した系を考え、低周波部分と高周波部分の詳細な解析によって必要なレゾルベント評価を導出した。ここでのスペクトル解析においては、半空間上の温度変化を考慮に入れた圧縮性Navier-Stokes方程式の解析に対しても有用である評価式を得た。 2.無限層状領域における圧縮性流体中の平面Couette流の安定性を考察し、レイノルズ数およびマッハ数が十分小さければ、平面Couette流は十分小さな撹乱に対して漸近安定であることをエネルギー法により示した。さらに、線形化作用素のスペクトル解析を行い、撹乱の漸近挙動における主要部は平面Couette流の流れにもとづく移流項付き熱方程式の解で与えられることを示した。静止状態の安定性の場合とは異なり、平面Couette流の場合は線形化作用素がsectorial operatorとならないことが予想される。このことを明らかにすること、および、この研究における安定性解析の手法を半空間上のRayleigh流の安定性解析へと発展させることが今後の課題である。
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Research Products
(17 results)