2009 Fiscal Year Annual Research Report
粘性流体の運動を記述する非線形偏微分方程式系の漸近解析
Project/Area Number |
19340033
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
隠居 良行 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 教授 (80243913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70144631)
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Keywords | 圧縮性Navier-Stokes方程式 / 安定性 / 漸近挙動 |
Research Abstract |
圧縮性粘性流体の運動を記述する基礎方程式系に対して,波の伝播と粘性による拡散,および領域の境界が解の挙動にどのような影響を及ぼすかを解明するために,圧縮性Navier-Stokes方程式や関連する非線形偏微分方程式の解の時間無限大における漸近挙動について本年度は以下のような研究を行った. 1. 無限層状領域における圧縮性流体中のポアズイユ流型定常解の安定性解析について,ポアズイユ流型定常解の周りの線形化作用素の生成する半群の時間無限大における漸近挙動の解析で導入した解の分解を再検討し,平面Couette流の場合の解析をより精密化したものとして定式化して論文としてまとめた.この定式化は非線形問題の解析にも有用であり,平面Couette流の場合の非線形問題の解析のポアズイユ流型定常解の場合の解析への拡張へとつながるものである. 2. Rayleigh流は自己相似構造をもつため,平行移動不変性とスケール変換不変性をもつ抽象的発展方程式の自己相似解の周りの解の漸近挙動を考察し,その解析のための抽象的枠組みを構築した.ここで考えた発展方程式は,移流拡散方程式,2次元渦度方程式,2次元Keller-Siegel方程式などの保存系の半線形放物型方程式を代表的な例として含み,さらに,Vlaso-Poisson-Fokker-Planck方程式などの退化放物型方程式をも含むような定式化がなされており,この枠組みに入る非線形方程式系の解の時間無限大での挙動が自己相似解を時空方向に適当に平行移動したものによってよりよく近似されることを示した.また2次元Keller-Siegel方程式に対してこの抽象論を適用するために,自己相似解のまわりの線形化作用素の詳細なスペクトル解析を行った.
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Research Products
(18 results)