Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田中 紳二 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (20324858)
西原 健二 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (60141876)
西畑 伸也 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (80279299)
柳沢 卓 奈良女子大学, 人間文化研究科, 准教授 (30192389)
柘植 直樹 広島工業大学, 情報学部, 講師 (30449897)
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Research Abstract |
研究代表者松村は,粘性理想気体の一次元運動を記述する3×3の圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式系の初期値問題を考察し,非粘性部分のオイラー方程式のリーマン問題が接触不連続波と希薄波で構成される場合,対応する粘性接触波と希薄波の一次結合の合成波がその波の強さが適当に小さければ漸近安定であることを証明した.また,単独の一次元粘性保存則系の半空間上での初期値境界値問題を考察し,流束が凸関数でない場合についても,境界層解と希薄波の合成波が漸近安定であることを希薄波が適当に小である条件下で示した.分担者小田中は,非定常な量子ドリフ卜-拡散方程式の時間離散化手法として,系の自由エネルギーを評価した適応型時間ステップ制御アルゴリズムを提案し,数値実験によって検証した.分担者西原は,半線形項を持つ消散型波動方程式の初期値問題を考察し,可積分とは限らない初期値に対して優臨界の場合に最大値原理に依らない証明法を与え,解が優臨界の場合に熱方程式と同じ漸近形に近づくことを示した.分担者西畑は,半導体中の電子の流れを記述する流体力学モデルの有界領域上での初期値境界値問題を考察し,定常解が一意的に存在して,漸近安定であることを証明した.分担者柳沢は,有界領域上のベクトル場に対する分解定理を用いて,領域の位相的性質と定常的ナヴィエ・ストークス方程式の非斉次的境界値問題の解の存在定理との関係を調べ,幾つかの結果を得た.分担者柘植は,圧縮性オイラー方程式の球対称解について考察し,無限遠方に制限を加えた有界な初期値に対して,時間大域解の存在を示し,さらに自己重力のない場合については球対称解の圧力の時間無限大での減衰評価を導出した.以上の様々な成果は,国内外の研究会・国際会議において発表を行った.
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